遼寧省、第1四半期の成長率は5.1%

(中国)

大連発

2018年05月02日

遼寧省統計局の4月23日の発表によると、同省の2018年第1四半期の域内総生産(GRP)は、前年同期比5.1%増の5,125億元(約8兆7,000億円、1元=約17円)となった。遼寧省は2016年、全31省・直轄市・自治区の中で最も低い成長率を記録したが、2017年は4.2%とプラス成長に転じていた。同省統計局は、第1四半期の経済について、「筑底企穏、穏中向好(底打ち安定、安定の中で向上あり)の状態を維持した」と述べた。産業別では、第一次産業が2.8%増、第二次産業が7.3%増、第三次産業が3.9%増と、第二次産業の伸びが大きかった(表参照)。

工業関連指標の伸びも顕著で、一定規模以上の企業(注)の工業付加価値額は前年同期比8.5%増となった。設備製造業(12.8%増)、石油化学工業(8.4%増)、農産品加工業(5.3%増)、冶金(やきん)工業(5.2%増)など、同省の主要な産業がいずれも前年同期比で伸びた。

固定資産投資総額は、前年同期比4.3%増の1,107億7,000万元となった。産業別では、第一次産業への投資が27.4%減、第二次産業への投資が12%増、第三次産業への投資が0.4%増となった。第二次産業への投資のうち、航空・宇宙設備製造業、医薬製造業、電子・通信設備製造業などを含むハイレベル製造業への投資が71%増となった。

社会消費品小売総額は、前年同期比7.8%増の3,461億9,000万元となった。また、都市部住民1人当たりの平均可処分所得額も6.2%増の9,585元と、消費と所得の伸びは堅調だった。

貿易総額は、前年同期比1.2%減の1,665億8,000万元となった。うち輸出額は4.0%減の719億5,000万元、輸入額は1.1%増の946億3,000万元となった。輸出額は減少したものの、輸出品目別にみると、ハイテク製品の輸出額が15.2%増の95億3,000万元と増加した。対内直接投資額(実行ベース)は、8.4%増の12億6,000万ドルと増加した。

表 遼寧省の2018年第1四半期(1~3月)主要経済指標

(注)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(匂坂拓孝)

(中国)

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