拡大する美容関連産業、手続き面には課題も

(ベトナム)

ホーチミン発

2018年05月10日

美容関連産業の展示会「Cosmobeauté Vietnam 2018」が4月19日から21日の3日間、ホーチミン市で開催された。ベトナム、韓国や台湾を中心に、中国、日本を含むアジア各国、米国、欧州(ドイツ、イタリア、スペイン)の企業が、化粧品、香水、サプリメント、スパ用設備などを展示した。約200社が出展、うち外国企業が約75%を占め、来場者数は約1万3,500人に上った。

高い外国製品シェアと輸入の伸び

ベトナム市場では、美容関連商品は輸入品のシェアが大きく、同じブランドでも現地生産品でなく輸入品を好む消費者もいる。ベトナム税関総局によれば、「化粧品・香水など(Essential oils and resinoids; perfumery, cosmetic or toilet preparations)」の2017年品目別輸入額は、前年比11%増の約6億8,000万ドルと伸びている。一方で同分野は、輸入通関をはじめとした手続きが煩雑という関連企業の声も聞かれる。

輸入関連手続きに3年も市場性に期待

展示会に出展した日系企業は3社で、各社とも美容関連市場の伸びが有望なベトナムでの取引先開拓を目指す。KAEI(本社:大阪府)は、日本市場で高評価を得たコスメシートマスクの販売先を、山栄化学(本社:東京都)は原材料販売先(化粧品等製造者)をそれぞれ探している。

植物発酵飲料などを販売するプロラボ ホールディングス(本社:東京都)は2018年、ベトナムへ自社製品の輸出を開始した。管理本部海外事業企画室室長の新屋信明氏は、「既に、海外数カ国に展開しているが、ベトナムでの製品輸入許認可取得が、一番手続きが大変だった」と振り返る。「手続き開始後に政府の担当が交代し、また最初から話を始めなければならなかった。結局、許認可取得の手続きに3年かかった」という。同社製品は、体内に蓄積された有害物質を排泄する美容法「ファスティング」をサポートするものだ。ベトナムでの販売価格は、輸送コストなどの分日本での価格よりも高くなるが、もともと日本でも高価格帯で、販売場所を限定しているため、ベトナムにおいても、富裕層向けスパなどで取り扱い、特別感のある商品としての販売を見込む。同氏は「展示会では予想を上回る反響があった。ベトナム市場に期待している」と語る。

写真 同社商品を試す展示会来場者(プロラボ ホールディングス提供)

(小林亜紀)

(ベトナム)

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