第1四半期は耐久消費財輸入額が大幅増

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年05月08日

商工サービス省の貿易統計(確報値)によると、2018年第1四半期(1~3月)の輸出額は前年同期比7.8%増の543億6,700万ドル、輸入額は12.1%増の404億1,800万ドル、貿易収支は3.1%減の139億4,900万ドルだった。

工業製品の輸出額が19.2%増

輸出を牽引したのは工業製品で、前年同期比19.2%増の213億2,900万ドルだった。この期間で最も金額が大きかった工業製品は、掘削プラットフォーム(15億3,500万ドル)だが、記録された輸出相手国は主にオランダで、ブラジルでの石油資源開発に係る資産の所有権移転に伴う輸出実績とみられる。以下、乗用車が6.1%増(15億2,900万ドル)、その他工業製品が33.7%増(12億5,300万ドル)と続く。

一次産品は0.4%増の242億5,700万ドルにとどまった。最大の品目である原油は3.4%増の53億2,100万ドルで、大豆は3.4%減の51億2,200万ドル、鉄鉱石は17.5%減の44億6,600万ドルと続く。輸出単価をみると原油は22.9%増の1トン当たり400.77ドル、大豆は2.3%減の1トン当たり386.83ドル、鉄鉱石は10.8%減の1トン当たり53.1ドルで、国際価格変動の影響を受けた。

乗用車の輸入が70.7%増

輸入を主要カテゴリー別にみると、全体6割のシェアを占める中間財が前年同期比6.3%増の242億1,400万ドル、消費財が15.0%増の63億2,400万ドル、資本財が14.4%増の42億5,200万ドル、燃料・潤滑油が40.3%増の56億700万ドルだった。消費財、資本財の伸びは内需回復傾向を反映したとみられる。

特に耐久消費財の輸入額が50.5%増(14億5,400万ドル)と大幅に増加した。その主要因は乗用車の輸入増加で、70.7%増の9億2,300万ドルだった。乗用車の輸入相手国をみると、実績額の約半分を占めるアルゼンチンが74.5%増(4億2,100万ドル)となっているほか、以下、メキシコ(37.7%増、1億8,000万ドル)、ドイツ(74.4%増、6,700万ドル)、日本(77.9%増、6,500万ドル)と、軒並み増加した。

(二宮康史)

(ブラジル)

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