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欧州経済会議で日EU・EPAについて議論

(ポーランド)

ワルシャワ発

2018年05月24日

「第10回欧州経済会議」が5月14~16日、ポーランド・カトビツェで開催され、約1万1,500人が参加した。3日間で150以上のセッションが行われ、ジェトロは初日に日EU経済連携協定(EPA)に関するパネルディスカッションを主催した。

会議には欧州委員会からアンドルス・アンシプ副委員長(デジタル単一市場担当)やセシリア・マルムストロム委員(通商担当)を含む3人が、国内からはマテウシュ・モラビエツキ首相をはじめ計9人の閣僚、その他ポーランド国外からも要人が多く参加した。ビジネス界からの出席も多く、同会議は中・東欧最大の経済会議となっている。

ジェトロが主催したセッション「欧州-日本:新たな幕開け」には100人近くが参加し、在ポーランド日本大使館高橋了臨時代理大使が日EU・EPA早期署名への期待を述べた。パネリストのうちウカシュ・ポラジンスキ企業・技術省通商・国際協力部長は、ワルシャワ経済大学の分析(GTAPモデル)を引用し、EPAの影響はさほど大きくないと発言。

これに対し、ホースク・リー=マキヤマ欧州国際政治経済研究所(ECIPE)ディレクターは直接貿易だけでなくドイツ含むサプライチェーン全体で影響を考える必要性や投資への影響、規制に関する協力やデータフローのルール形成などでもEPAは重要であり、こうした影響が当該分析では考慮されていないことを指摘。

また、土方泰和NGKセラミックスポーランド社長は現地調達拡大を進めるものの、原料や機械は日本からの調達が必要で、最大6.5%課されている輸入関税は年間数億円に上るため、EPAのメリットは極めて大きいと発言した。同社長は、EPAにより製造業などの投資が輸出に代替される可能性については、関税に加えて輸送コストなども考慮する必要があるほか、何より迅速な納品など顧客の発注への柔軟な対応が不可欠で、欧州ビジネスで日本企業がポーランドに拠点を持つメリットは大きい、とも述べた。

牧野直史ジェトロ・ワルシャワ事務所長は、日本でも人気の高いボレスワビエツ陶器の企業が、EU韓国自由貿易協定(FTA)に伴う輸出増により従業員を10人から200人に増やした事例に言及、EPAの効果は努力いかんで大きくも小さくもなると指摘した。これに対しマルチン・マイェフスキ・プライスウォーターハウスクーパース(PwC)マネージャーは、日EU・EPAは「チャンスを提供する協定」であり、企業は原産地規則などへの対応を促した。

写真 ジェトロ主催のセッション「欧州-日本:新たな幕開け」の様子(ジェトロ撮影)

(牧野直史)

(ポーランド)

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