カルナタカ州議会選、いずれの党も過半数確保できず

(インド)

ベンガルール発

2018年05月18日

インド南西部カルナタカ州(州都ベンガルール)の州議会選挙の開票結果が5月15日、公表された。モディ首相率いる国政与党インド人民党(BJP)が224議席中104議席を獲得して第1党となったものの、政権を握るのに必要な過半数を取得できなかった。

一方、与党だったシッダラマイヤ州首相率いる国民会議派(INC)は78議席にとどまり、政権の座を降りることが決まった。他党の議席数は、地域政党のジャナタ・ダル〔世俗派:JD(S)〕が37議席、その他が3議席を獲得した。

表 カルナタカ州議会選挙結果

連立政権誕生の可能性が高い

カルナタカ州議会選挙の投票は5月12日に行われ、BJP、INC、JD(S)の激しい三つどもえの構図が予測されていた。投票後、当地メディアが実施した出口調査の結果、どの政党も過半数を確保できない見方が示され、そのとおりの結果となった。

今後の政局は、州知事の判断が大きな分かれ目となる。これは、州選挙においてどの政党も過半数を確保できなかった場合は、州知事の判断に委ねられるからだ。既に各政党は政権をつくるための動きを始めている。

BJPは第1党として州知事に政権運営の権利を主張している。一方で、INCはBJPの単独与党政権を回避するため、第3党のJD(S)と会談し、連立政権をつくることを表明した。連立政党は、指定期間内に州議会での投票であらためて過半数の議席を確保したことを証明する必要がある。

現地紙「タイムズ・オブ・インディア」によると、現時点では、JD(S)およびINCの連立が過半数の議席〔INC78議席、JD(S)37議席、合計115議席〕を有しているので、連立政権誕生の可能性が高いとみられている。

政権運営が不安定になるとの見方も

連立政権が誕生した場合、現時点での州政府の方針が大きく変更する可能性がある。連立政権の一翼を担ことになる可能性が高いJD(S)は、インドのデーベ・ゴウダ元首相が設立した政党で、政権を担うことになった場合には、同氏の息子であるクマラスワミー氏が州首相となるとの見方が濃厚だ。この政党はもともと農民の利益を重視していることから、産業政策導入が停滞するなどの不安定要素を懸念する声も出ている(「タイムズ・オブ・インディア」紙5月16日)。

(ディーパク・アーナンド、土田葉)

(インド)

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