アビィ・アハメド首相、近隣諸国との物流改善に意欲

(エチオピア)

アディスアベバ発

2018年05月16日

アビィ・アハメド首相が4月28日~5月7日にかけてジブチ、スーダン、ケニアを公式訪問した。就任後、初の外遊となった。各国と地域の安定、アフリカ連合(AU)、東南部アフリカ市場共同体(COMESA)、政府間開発機構(IGAD)などの国際場裏での協力を確認した。これに加えて注目すべきが、同首相の地域の経済統合と物流改善に示した意欲だ。

各国で港湾開発に関与する姿勢を打ち出す

アビィ首相は、最初の訪問先のジブチ(4月28日から2日間)でドラレ・コンテナ港を視察した。複数の港を持つジブチは、内陸国エチオピアの貨物の95%以上が通過する玄関口の役割を担っている。ゲレ大統領とはジブチの港への資本参加の可能性も含む共同開発・運営で合意したと伝えられ、詳細は今後、担当閣僚同士で詰めるという。

スーダン(5月2日から2日間)では、アル・バシール大統領とポート・スーダンの共同開発で合意した。エチオピア外務省報道官は、メディアに対して資本参加の可能性も含むと説明している。近年良好な関係を保つ両国では、2国間を結ぶ鉄道建設計画もある。

ケニア(5月6日から2日間)では、ウフル・ケニヤッタ大統領とケニアのラム港からイシオロで分岐して南スーダンとエチオピアへと結ぶ運輸回廊(LAPSSET)の整備を速めることを確認した。同回廊のエチオピアとケニアのモヤレ国境では、手続き窓口の一元化(ワンストップ・ボーダー・ポスト)が完成間近とされ、今後3カ月内の運用開始が見込まれている。共同声明では、ケニアからラム港でのエチオピアによる土地取得支援、エチオピアからは同地での物流施設建設の意向も表明された。

今回の訪問には含まれていないが、ソマリアでは、DPワールド(ドバイ)が運営権を持つベルベラ港開発にエチオピア政府も19%出資している。エチオピアでは、増加する輸出入貨物の物流環境整備に取り組んでおり、今回の近隣諸国歴訪でもその姿勢が鮮明だ。

(関隆夫)

(エチオピア)

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