現金使用率は低下、スマホ決済スウィッシュの利用が加速

(スウェーデン)

ロンドン発

2018年05月24日

スウェーデンで直近の支払い時に現金を使った人は13%のみであることが、中央銀行が2年ごとに行っている「支払い習慣調査(5月公表)」で明らかになった。「直近の支払いに現金を使用した」と答えた人の割合は、2010年に39%、2012年は33%、2014年23%、2016年15%、2018年13%と低下し、キャッシュレス化が急速に進んでいる。

「過去1カ月間にどのような手段で支払いをしたか(複数回答可)」という問いでは、銀行カード(クレジットカードおよびデビットカード)が90%以上となり、2014年、2016年、2018年の直近3回の調査で変化はない。2018年の調査でカードの次に多かったのがスマホ決済アプリ「スウィッシュ」の60%強で、現金をわずかに上回った。民間企業のスウィッシュ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、利用者の銀行口座とスマホをリンクし、瞬時に支払う(モバイル決済)ことを可能にする。近年は現金使用の減少と反比例してスウィッシュの使用が急増し、スウィッシュ使用率(過去1カ月間の使用)は2014年が10%強、2016年が50%強、2018年が60%強と伸びている。同社によると、2018年4月に行われたスウィッシュでの支払いは3,123万1,404件だった。

年齢・地域によって異なる傾向

同調査では、年齢別・居住地別の分析も行っている。銀行カードは年齢・居住地に関係なく高い率で使用されているが、現金は年齢が高くなるほど使用率が高くなり、逆にスウィッシュは年齢が高くなるほど使用率が下がる。これは、年齢によってデジタル手段を駆使できるか否かの差にもよるものとみられる。

「現金使用なしに暮らしていけるか」との問いに対しては、全国では10人に7人が可能と答えているのに対し、過疎地では10人に6人とその割合がやや減っている。

キャッシュレス社会への寛容度が上昇

現金使用の減少に対して回答者の約半分(48%)は肯定的で、否定的な意見は27%だった。2016年と比較すると、肯定派が増加し、否定派が減少している。過疎地域に限ってみると、否定派は35%で全国平均とあまり変わらないが、肯定派が33%と、全国平均の48%に比べ低くなっている。

(三瓶恵子)

(スウェーデン)

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