青島地場の利群商業集団、韓国ロッテマートから72店舗を買収

(中国)

青島発

2018年05月21日

山東省青島市の地場流通小売企業の利群商業集団は5月11日、韓国ロッテマートの72店舗、15カ所の不動産を16億6,500万元(約283億500万円、1元=約17円)で買収したと発表した。72店舗のうち、自社店舗は13カ所、賃貸物件は59カ所で、地域別に江蘇省に54店舗、浙江省に4店舗、安徽省に8店舗、山東省に4店舗、上海市に2店舗ある。

利群商業集団は2017年4月に中国で上場し、2017年度の売り上げは約105億元。山東省内で事業展開してきた地場企業で、2017年9月に山東省外で初となる江蘇省連雲港市に大型スーパーを出店した。

今回の買収で同社は華東地域において、上海市、浙江省、江蘇省、安徽省にあるロッテマートの68店舗を手に入れ、中国における最も重要な市場への参入を果たした。72店舗のうち、まず20店舗、その後20店舗、さらに残りの店舗も2019年の旧正月までに全て開店する計画を進めている。

ロッテマートは事実上の撤退

韓国のロッテグループは、高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備に必要な土地を韓国政府に提供したことによる中韓の外交対立の影響を受け、中国で112店舗を所有するスーパーマーケット事業の運営が難しくなり、2017年から売却先を探していた。4月に北京地域の21店舗を中国の北京物美商業集団に約2,485億ウォン(約248億5,000万円、1ウォン=約0.1円)で売却したことに続き、今回の華東地域の店舗売却で、ロッテマートは中国進出から11年にして事実上撤退することになった。

(魯寅萍)

(中国)

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