4月の小売売上高は前月比0.3%増

(米国)

ニューヨーク発

2018年05月21日

商務省の速報(5月15日付)によると、4月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.3%増の4,976億ドルと、3カ月連続の増加となった。変動の大きい自動車・同部品を除くと、0.3%増の3,960億ドルとなった。なお、3月の売上高は0.6%増(速報値)から0.8%増に上方修正された。

全米小売業協会(NRF)のチーフエコノミスト、ジャック・クラインヘンズ氏は、「天候不順やマーケットの激しい浮き沈みがあっても、消費者は減税から恩恵を受けており、小売売上高は堅調に推移している」と指摘するとともに、「堅調な労働市場、最近の賃金上昇や消費者信頼感の高まりは、消費を支え続けている」と述べた(「チェーンストアエイジ」誌電子版5月15日)。

無店舗小売りが最大の押し上げ要因

業種別にみると、無店舗小売りが前月比0.6%増の559億ドルと3カ月連続の増加となり、全体を最も押し上げた。次いで、ガソリンスタンド(0.8%増、421億ドル)、衣料(1.4%増、225億ドル)などが押し上げに寄与した(表参照)。

一方で、フードサービス(0.3%減、583億ドル)、ヘルスケア(0.4%減、275億ドル)、家電(0.1%減、83億ドル)などは押し下げ要因となった。

表 業種別小売売上高(季節調整済み)

民間調査会社コンファレンスボードが4月24日に発表した4月の消費者信頼感指数(注)は128.7と、3月(127.0)より1.7ポイント増加した。内訳をみると、現況指数は159.6(3月:158.1)と1.5ポイント上昇し、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は、108.1(3月:106.2)と1.9ポイント上昇した。

コンファレンスボードの経済指標ディレクターのリン・フランコ氏は、「現況に対する消費者の評価はやや改善したが、特に景況感と労働市場に対する評価が非常に良かった」と述べた。また、「全体として、信頼感指数の水準は依然として高く、今後数カ月は経済が堅調なペースで拡大し続けることを示唆している」と指摘した。

(注)全米5,000世帯を対象に毎月、経済状態や雇用情勢についてアンケートし、結果を指数化したもの。現況指数は経済、雇用の2項目、期待指数は6カ月後の経済、雇用、所得の3項目の平均値で、信頼感指数は両者を合わせた5項目の平均値。

(樫葉さくら)

(米国)

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