2017年の対日貿易、輸出の伸びで黒字拡大

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2018年05月17日

南アフリカ共和国歳入庁の発表によると、2017年の対日貿易額は、輸出が前年比9.3%増の554億7,800万ランド(約4,937億5,420万円、1ランド=約8.9円)、輸入が0.4%増の376億8,400万ランドとなり、貿易収支の黒字が拡大した。南アにとって日本は、国別の輸出額で中国、米国、ドイツに次ぐ4位となり、前年の6位から上昇した。輸入額は前年と同じ6位だった。

対日輸出を品目別でみると、自動車の排ガス浄化触媒に使用され全体の約半分を占める白金(プラチナ)は前年比0.6%増の微増にとどまった(添付資料参照)。南アは世界全体の白金生産量の約8割を占めており、日本は南アの白金の最大輸入国だ(構成比12.4%)。

トウモロコシの輸出が急増

輸出額の増加を主に牽引したのは、乗用車(前年比28.7%増)、マンガン鉱(2倍強)、トウモロコシ(1,268倍)だった。トウモロコシは2016年まで南ア国内の干ばつによる不作から一転し、2017年は大豊作の年となった結果、輸出余力が大幅に増加。日本のブラジルからのトウモロコシ輸入が半減した2017年は南アからの日本向けの輸出が急拡大し、同国にとって最大の輸出相手国となった(構成比25.6%)。日本側の統計によると、2017年のトウモロコシ輸入額で南アは米国(構成比78.9%)、ブラジル(14.3%)に次ぐ3位となった(3.39%)。

対日輸入を品目別でみると、総輸入額の18.0%を占める乗用車が15.8%増となった。南アではトヨタ、日産、いすゞなどが国内生産・輸出している一方で、その他の日系メーカーは完成車を輸入・販売している。

また、主に鉱山用に使用されるブルドーザー・地ならし機など(構成比5.2%)は71.9%の大幅増となった。一方で、電気機器・部品は3.1%減、主に医療用の光学機器などが8.1%減となったほか、2017年3月に新たに5%のセーフガード課税措置が取られたフラットロール製品の輸入が前年比50.6%の大幅減となった結果、輸入総額全体は前年比ほぼ横ばいとなった。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

ビジネス短信 044ec08cdbdce504