2017年対内直接投資、米国は約28%増、5位日本は製造業が8割
(メキシコ)
メキシコ発
2018年04月23日
2017年の対内直接投資額は、前年とほぼ同額の296億9,500万ドルだった。投資受け入れ額が最も多い製造業は前年比22.4%減となったが、輸送機器は32.1%増と大きく伸びた。主要国・地域別1位の米国からの投資は27.3%増の138億9,370万ドルで、トランプ大統領就任後も同国からの投資は引き続き活発だ。日本は前年同様国別5位で、約8割を製造業が占めた。
経済省外国投資局が発表した対内直接投資統計によると、投資の類型別では新規投資が38.5%、利益再投資は32.5%、親子間勘定が29.1%だった。
主要国・地域別首位の米国の構成比は全体の46.8%(表1参照)を占める。同国からの投資は製造業が55.4%を占め、そのうち輸送機器が48.2%を占めている。2位はカナダで24.4%増の27億530万ドル(構成比9.1%)となり、天然ガスのパイプライン輸送分野への投資が全体の投資額の6割強を占めた。3位はスペインだった。同国からの投資分野は伝統的に建設、金融・保険分野が多いが、これらの分野への投資が引き続き行われている。
アジアでは、日本が自動車産業を中心に16億4,130万ドルで国別5位の投資額となっているが、前年より7.7%減少した。ただし、日本企業の対メキシコ直接投資は在米企業を介して行われることも多く、その場合、メキシコの対内直接投資は統計上、米国の投資として計上されていることに注意が必要だ。韓国は9位で5億2,210万ドル、前年比31.3%減。
主要産業別にみると、トップの製造業が22.4%減の134億3,980万ドル、構成比は45.3%となった(表2参照)。このうち増加しているのは輸送機器分野のみで、構成比は23.5%となった。また、輸送機器の内訳をみると、完成車が50.3%増、自動車部品も23.3%増となり、自動車産業分野への投資が好調だった。サービス分野では運輸・郵便・倉庫分野が最も大きく、全体の10.8%を占めた。
日本からの投資額16億4,130万ドルのうち、製造業が13億5,030万ドルとなり、内訳を見ると完成車メーカーによるものが、4億8,930万ドル(2.1倍)と大きく伸びた。自動車部品メーカーによるものも5億5,700万ドル(4.0%増)と堅調に推移した。投資種別では、利益再投資が45.4%、新規投資が42.0%、親子間勘定が12.6%だった。案件数は220件。
(岩田理)
(メキシコ)
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