2017年の各省・都市競争力指数、クアンニン省が初の1位

(ベトナム)

ハノイ発

2018年04月09日

ベトナム商工会議所(VCCI)と米国国際開発庁(USAID)が実施した2017年ベトナム各省・都市競争力(PCI:Provincial Competitiveness Index)ランキングで、中国国境に位置しハロン湾などの観光地で知られる、北部クアンニン省が初めて1位を獲得した。

PCIは、地場企業とベトナムで事業展開している外資企業に対するアンケート調査に基づき、「事業開始のコスト」「事業環境の透明性」「非公式手数料」など10項目について、それぞれ10点満点(計100点満点)で各都市・省を評点化したもの(2017年4月25日記事参照)。調査結果は各省・市ごとのランキング形式で発表されるため、PCIの評点や順位は各地方政府が投資誘致を進める上で1つの重要な指標となっている。2017年は約1万2,000社(うち外資企業は約1,800社)から回答があった。

意思決定一元化など改革に取り組む

クアンニン省の評点は70.69点で、2016年より5ポイント以上上昇した。同省では行政機関による意思決定を一元化するなどの改革に取り組み、「操業開始時に必要な行政手続きに1カ月以上かかった」と回答した企業の割合はわずか6%にとどまった。2位は、前回まで4年連続首位だったダナン市で、評点は70.11点と前年より上昇したものの順位を落とした(表参照)。最大商都のホーチミン市は前年と同じ8位(65.19点)、首都のハノイ市は前年より1つ順位を上げて13位(64.71点)となった。2016年は評点65点以上の地域が2省・市だったのに対し2017年は10省・市と大幅に増加し、投資環境改善の取り組みが全国的に企業から評価されたことの表れといえる。

ブー・ティエン・ロックVCCI会頭はPCI報告書の発表に当たり、「2017年1年間のベトナムのビジネス環境は、積極的な改善傾向がみられた」と評価した。一方、首位を獲得したクアンニン省のグエン・ドゥック・ロン人民委員長は、「100点満点のうち約70点という数字は決して高いとは言えず、まだ改善の余地はある。引き続き改革に取り組み、より評点を高めていきたい」と述べ、さらなる投資環境の改善に意欲を示した。

表 PCIランキング上位10省・市
順位 2017年 2016年
省・市 評点 省・市 評点
1 クアンニン省 70.69 ダナン市 70.00
2 ダナン市 70.11 クアンニン省 65.60
3 ドンタップ省 68.78 ドンタップ省 64.96
4 ロンアン省 66.70 ビンズオン省 63.57
5 ベンチェ省 66.69 ラオカイ省 63.49
6 ビンロン省 66.07 ビンロン省 62.76
7 クアンナム省 65.41 タイグエン省 61.82
8 ホーチミン市 65.19 ホーチミン市 61.72
9 ハイフォン市 65.15 ビンフック省 61.52
10 カントー市 65.09 クアンナム省 61.17

(出所)PCI 2016、2017を基に作成

(竹内直生)

(ベトナム)

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