山東如意、スイスの「バリー」を買収

(中国)

青島発

2018年04月13日

繊維大手の山東如意科技集団(本社:山東省済寧市)は、ルクセンブルクの投資会社JABホールディングからスイスの高級ファッションブランド「バリー(BALLY)」の株式の過半数を取得した。山東如意はこれまでも買収を通じて多数の海外有名ブランドを取得しており、今回の買収によりさらに世界的なファッションブランド企業となった。

毛織物の製造会社から急成長

2001年に設立された山東如意は本業の毛生地の紡績分野で世界一の規模を誇る。前身は1962年に操業を開始した済寧市の毛織物工場だ。2010年に日本のレナウンの株式51.53%を取得し、高級ファッションブランド業界に参入した。2014年には「バラッティ」「マスターハンド」などのブランドを持つドイツ紳士服メーカーPeineグループの株式の一部を取得、2016年にはフランスのSMCPの株式を13億ユーロで取得し、「サンドロ」「マージュ」「クローディピエルロ」の3ブランドを手に入れ、世界の注目を浴びた。その後も2017年3月に1億1,700万ドルで英国のブランド「アクアスキュータム」を香港のYGMTRADINGから取得し、11月には「チェルッティ1881」などの紳士服ブランドを有する香港利邦(トリニティ)の筆頭株主となった。また高級ブランド以外にも、2017年10月、米国の繊維大手INVISTAから、「ライクラ(LYCRA)」「クールマックス(COOLMAX)」などのブランドを数十億ドル規模で買収したことを発表している。

経営陣は留任

山東如意が株式の過半数を取得する一方で、バリーの最高経営責任者(CEO)をはじめ幹部は留任し、引き続きバリーの少数株主となっている。レナウン買収から10年足らずの山東如意としては、ファッションブランド運営に習熟したバリーの経営陣を引き続き活用したいものとみられる。邱亜夫董事長(会長)はバリー買収について、「アパレル業界で世界のトップを目指す山東如意集団にとって重要なステップだ。バリーが引き続き成長し、世界でブランド力を高めるための支援をしたい」とコメントしている(2月10日発表)。

(魯寅萍)

(中国)

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