第1四半期実質GDP成長率は6.8%、米中貿易摩擦も安定成長変わらず

(中国)

北京発

2018年04月26日

国家統計局の4月17日の発表によると、2018年第1四半期の実質GDP成長率は6.8%となった(図参照)。2017年通年の成長率(6.9%)からは0.1ポイント鈍化、2017年第4四半期(6.8%)からは横ばいとなった。2018年の政府目標である6.5%前後は上回った。

図 GDP成長率(四半期ベース)

第1四半期の経済の特徴について、国家統計局のケイ(刑のつくりがおおざと)志宏報道官は「穏、新、優、好」という4つの文字で次のように総括した。

  • 「穏」:経済成長率は11四半期連続で6.7~6.9%の間で安定している。また、雇用と物価、国際収支も安定していることから、経済全体も安定基調だ。
  • 「新」:第1四半期の新規登記企業数は132万社で、「大衆の創業、万人のイノベーション」が進んでいる。「インターネット+(プラス)」が既に各業種・領域と深く融合しており、新産業、新業態および新しいビジネスモデルの発展が目覚ましい。
  • 「優」:サービス業のGDP全体に占める割合が上昇したこと(前年同期比0.3ポイント上昇し56.6%)、工業生産でもハイテク製造業(構成比は工業生産のうち12.7%)や設備製造業(32.2%)などハイエンド分野に比重が移りつつあることなどから、経済構造がより良くなった。
  • 「好」:一定規模以上の工業生産企業の利益(1~2月期)が前年同期比16.1%増、一定規模以上のサービス産業の企業の利益は4.5%増となり、企業の効率や収益の持続的改善がみられる。また、住民収入の実質増加率も6.6%となり、収入の面でも安定的な増加がみられる。さらに空気の質など環境面でも持続的な改善がみられる。

ケイ報道官はこれらを踏まえ、「総合的には経済発展の安定性、持続可能性などが明らかに強くなったことから、2018年通年の経済の健全な発展にとって良い基礎を築いた」と評価した。

なお、米中貿易摩擦が今後の中国経済に与える影響については、「中国経済の安定性、調和性、持続可能性が堅固になっており、強靭性や潜在力もあり、融通を利かせる余地も大きいことから、中米貿易摩擦が中国経済を打ち負かすことはなく、中国経済の持続可能で健全な発展の基調を変えることはない」と強調した。

(藤原智生)

(中国)

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