2017年の実質GDP成長率は5.1%に加速

(モンゴル)

北京発

2018年04月12日

国家統計局の報告(「モンゴルの社会経済状況報告」)によると、2017年の実質GDP成長率は5.1%だった(図参照)。2016年の1.2%から3.9ポイント加速した。成長率が前年を上回るのは2011年以来で、経済の回復基調が鮮明になった。国家統計局は、投資と輸出が全体の成長率を押し上げたと評価した。投資と輸出が増加した背景には、石炭などの資源に対する外需の好調とそれを受けた国内の鉱工業の回復がある。また、IMFの支援に基づく経済再生プログラムが着実に成果を挙げていることも要因となった。

IMFは2月6日、EFF(拡大信用供与)措置に関するプレスリリースを行った。その中で、モンゴル経済は回復しつつあるとの評価を示した上で、2018年の実質GDP成長率を5.0%、2019年を6.3%と予測しているとした。

図 モンゴルの実質GDP成長率の推移

長期的な産業構造改革の推進が安定成長へのカギに

2017年の経済は回復基調が鮮明となったが、石炭を中心とした資源経済に依存する側面が強いこと、特に石炭の輸出先として中国に大きく依存していることがリスクとして指摘される。さらにIMFは、外需の落ち込みや燃料価格の上昇をリスクとして指摘しており、その対策として税収増の継続と構造改革の実行が必要不可欠だとしている。

今後は、モンゴル政府が長期的な視点で、農業や軽工業の振興などを通じて産業構造改革を進めることができるかが安定成長のカギとなるとみられる。

(バザルスレン・ボロルエルデネ、藤原智生)

(モンゴル)

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