湖北省、消費者保護関連条例を5月1日施行

(中国)

武漢発

2018年04月02日

湖北省政府は、5月1日から湖北省消費者権益保護条例外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを施行する。消費者の安全保護のため企業の義務と責任をより明確にする。背景には、毒入り粉ミルクや有毒物質を含有する塗料を使用した玩具が販売されたほか、エスカレーターの床崩落による死亡事故などが相次いだことがある。

2017年のクレームは4万件超

2017年、消費者権益を侵害するとして湖北省消費委員会に寄せられたクレームは4万件を超え、うち3万7,000件が処分対象となった。モノに関するクレームは2万6,000件で家電製品が最も多く、自動車と自動車部品、服装、靴、インテリア用品なども多かった。サービスに関するクレームは1万3,000件で、通信やネット通販、美容、レストラン、スポーツクラブなどが多かった。

同委員会は消費者権益の侵害に伴う経済損失額は6,714万元(約11億4,140万円、1元=約17円)に上ると見積もっている。

一方でクレームには、消費者の主観や誤使用、誤解に基づくものも少なくない。家電製品に関するクレームには「品質が悪い」「アフターサービスが悪い」「修理代が高い」などがあり、通信サービスに関しても「接続が遅い」など主観によるものがあった。

こうしたクレームを適切に処理するため、湖北省工商局は省内の関係部門と連携して消費者権益保護作業グループを新設した。悪質な業者や品質の良くないモノ・サービスから消費者を保護するとともに、モノ・サービスの品質を向上させ省経済の高度化を図る。

病院を虚偽広告で摘発

省都の武漢市工商局は2017年、市内の肝臓病専門病院の虚偽広告を摘発した。中国衛生部の肝炎防止プログラムの認定病院であることや北京肝臓医学研究院直属病院であることを新聞、テレビなどで宣伝し患者を集めていたが、これら全てが虚偽だったことが判明した。当局は300万元の罰金を命じたが、虚偽広告の氷山の一角との指摘もある。虚偽広告を見抜くことは現実的に難しく、今後も当局による摘発強化が求められる。

(古谷寿之)

(中国)

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