連邦下院が対抗制裁措置法案を起草

(ロシア、米国)

モスクワ発

2018年04月25日

4月6日に米国が発動したロシア実業家などへの制裁(2018年4月10日記事参照)を受け、4月13日、ビャチェスラフ・ボロジン下院議長らが対抗制裁措置法案をまとめた。法案によると、大統領の決定に基づきロシア政府が措置の一部または全部を導入する。対象国は米国に加え「その他の外国」とされており、どの国を指すかもロシア政府が指定するとみられる。

法案では次のような制裁を対象国に設けている。

a.ロシア政府が指定する農産品など食品の輸入禁止または制限

b.アルコール、たばこ製品の輸入禁止または制限

c.ロシア政府が指定する対象国からの国民の入国禁止

d.ロシア政府が指定するソフトウエアや技術製品の公共調達の禁止または制限

e.ロシア領空での貨物の航空輸送時の航行援助料金の引き上げ

f.対象国からの高度熟練専門家(HQS)資格の労働者の雇用禁止または制限

g.ロシア政府が指定する医薬品の輸入禁止または制限(ただし、ロシアやその他の外国で同種の医薬品が生産されていない品目を除く)

h.ロシア政府が指定するその他の商品の輸入禁止または制限

また、対象国(それらの国が25%以上出資する対象国以外の国の企業を含む)が直接または間接に出資する企業に対し、次のような措置を規定した。

i.原子力、航空、ロケット・エンジン分野での協力の中止または停止

j.国・地方自治体、公的企業に対する会計・コンサルティング・法務サービス実施の禁止または制限

k.公有資産の売却への参加禁止または制限

l.国有資産売却に関する役務(サービス)への参加禁止または制限

m.ロシア政府が指定する商標の独占権の消滅

n.レアメタル製品輸出の禁止または制限

法案の審議は下院で5月15日に行われる予定。上院のワレンチナ・マトビエンコ議長は、「対抗措置承認の時期を語るのは尚早だが、(7月末までの)春会期中に承認はずだ」との見方を示した(ノーボスチ通信4月18日)。

(エカテリーナ・セミョノワ、浅元薫哉)

(ロシア、米国)

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