2017年末の総人口、8,000万超える
(トルコ)
イスタンブール発
2018年04月10日
トルコ統計機構(TUIK)によると、トルコの総人口は2017年末時点で前年末から約100万人増加し、8,081万人となった(表1参照)。人口増加率は前年比1.25%で、ほぼ前年並みだった。総人口の半分が32歳以下、人口密度は1平方キロ当たり105人。失業率は10.9%で、前年と変わらなかった。
年間約100万人の人口増
8,000万を超える人口は、欧州ではロシア、ドイツに次ぐ規模。中東ではエジプトに次ぎ2位となる。男女の人口比率は男性が50.2%(年齢中位層31.1歳)、女性が49.8%(32.4歳)と均衡している。
2017年の失業率は10.9%
2017年の労働力人口は、前年比3.6%増の3,164万人と見積もられており、就業率は51.5%、労働参加率は58.0%だった(表2参照)。一方、失業率は、10.9%と前年同率で改善していない。中でも若年層(15~24歳)の失業率は高水準にあり、20.8%となっている。政府の中期経済計画によると2018年の失業率を10.5%、2019年は9.9%としており、大きな改善は見込まれていない。
トルコは慢性的な失業問題を抱えており、好況時ですら失業率は9~10%程度ある。背景には、労働人口が毎年100万人規模で増加しており、雇用創出が追い付かないことがある。また、トルコでは社会や親族、家庭内の相互扶助が一般的で、長期間の失業にも受け皿があり、積極的な就労活動をさせる環境になっていない。このため、実際の失業率はさらに高水準にあるとみられる。
また、社会保障機構へ登録しない労働者も多い。2017年の就労人口2,819万人のうち34.0%相当(前年33.5%)が非登録者とみられ、なかでも女性の未登録比率が高く、男性の29.2%に対して44.6%と高水準にある。また、業種では農業従事者の未登録比率が高く、全体で83.3%、男性74.4%、女性94.2%に達する。
(中島敏博)
(トルコ)
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