内閣改造人事発表、3分の2のポストに若手登用

(シンガポール)

シンガポール発

2018年04月25日

首相府は4月24日、5月1日付の内閣改造人事を発表した。今回は、2021年までに実施される次期総選挙後に予定の首相交代をにらみ、閣僚ポストの3分の2に若手を登用する大型の改造人事となった。新内閣人事では、第4世代指導者グループを担うことになる若手閣僚の多くが2つの省を兼務する。リー・シェンロン首相は同日、自身のフェイスブックで、「シンガポールを統治していく上で、段階的に若手閣僚の責任分担を増やしている」と説明した。リー首相は「数年先に行われる予定の指導者交代が、予定どおり順調に進行している」と述べた。

発表によると、チャン・チュンシン氏が全国労働組合会議(NTUC)議長を退き、貿易産業相に就任した。貿易産業相はこれまで大臣2人体制だったが、チャン氏の1人体制となる。貿易産業相(産業担当)だったイスワラン氏は、情報通信相に就任するとともに、貿易産業省の貿易担当大臣となる。

また、教育相(学校担当)だったウン・チーメン氏は首相府相となる。これにより教育相も大臣2人の体制から、オン・イエクン教育相の1人体制になる。人材相には、首相府だったジョセフィン・テオ氏が就任する。さらに、首相府相兼第2財務相兼第2教育相兼第2法相に、インドラニー・ラジャ氏が上級国務相から昇格した。この結果、女性閣僚は、ラジャ氏、人材相に就任するテオ氏、グレース・フー文化・コミュニティー・青年相の3人となる。

一方、今回の改造人事で、リム・フンキャン氏(貿易産業相貿易担当)、リム・スウィーセイ氏(人材相)、ヤーコブ・イブラヒム氏(情報通信相)の3人が閣僚を退く。

5月1日付の内閣改造による新内閣の顔ぶれは次のとおり〔出所は首相府、かっこ内の年齢は「ストレーツ・タイムズ」紙(4月24日)〕。

  • 首相:リー・シェンロン(66)
  • 副首相兼国家安全保障調整相:テオ・チーヒエン(63)
  • 副首相兼経済・社会政策調整相:ターマン・シャンムガラトナム(61)
  • インフラ調整相兼運輸相:コー・ブンワン(65)
  • 財務相:ヘン・スウィーキート(57)
  • 国防相:ウン・エンヘン(59)
  • 貿易産業相:チャン・チュンシン(48)
  • 外相:ビビアン・バラクリシュナン(57)
  • 内相兼法相:K・シャンムガム(59)
  • 国家開発相兼第2財務相:ローレンス・ウォン(45)
  • 情報通信相(兼貿易産業省貿易担当大臣):S・イスワラン(55)
  • 環境・水資源相:マサゴス・ズルキフリ(55)
  • 保健相:ガン・キムヨン(59)
  • 教育相:オン・イエクン(48)
  • 社会・家庭開発相兼第2国家開発相:デスモンド・リー(41)
  • 人材相兼第2内相:ジョセフィン・テオ(49)
  • 文化・コミュニティー・青年相:グレース・フー(54)
  • 首相府相:ウン・チーメン(49)
  • 首相府相兼第2財務相兼第2教育相兼第2法相(第2法相は2018年6月末までの兼務):インドラニー・ラジャ(55)

(本田智津絵)

(シンガポール)

ビジネス短信 92e5f97ec73376be