インド準備銀行、政策金利を6.00%に据え置き

(インド)

ニューデリー発

2018年04月12日

インド準備銀行(RBI)は4月5日、2018年度(4月~翌3月)1回目となる金融政策決定会合(2カ月に1回の頻度)を開催し、政策金利(レポレート)を年6.00%に据え置くことを決定した。2016年8月の金利引き下げ以来、4会合連続の据え置きとなった。

またRBIは、2017年度年第4四半期の消費者物価指数(CPI)上昇率の予想を5.1%から4.5%に下方修正した。2018年2月のCPI上昇率が4.4%と1月(5.1%)を下回ったことを受けたかたちだ。さらに2018年度上半期、および下半期の見通しを、それぞれ上半期は5.1~5.6%(前回予想4.7~5.1%)、下半期は4.4%(前回予想4.5~4.6%)に引き下げた。

RBIは今後の物価動向について、(1)モンスーン期(6~9月)の降水量による農作物生産量、および政府による農作物の最低調達価格(MSP)の引き上げ、(2)原油価格の上昇、(3)国内消費需要の拡大、(4)公務員の住居手当引き上げなどが、インフレ加速要因になるとして、引き続き動向を注視していく姿勢を鮮明にした。RBIは4%前後の物価上昇を中期的な目標と定め、これに沿った金利政策を実行することを表明している。

経済成長の加速を予測

今回の金利据え置きは、インドの国内経済が回復基調にあり、利下げの必要性が薄れていることも背景にある。インド中央統計局が2月末に発表した2017年第3四半期GDP成長率は7.2%となり、5四半期ぶりに7%台に回復。高額紙幣の廃止や物品・サービス税(GST)導入の影響が収まり、インド経済は回復基調が明らかになってきている。RBIは、2017年度第4四半期についても、航空旅客数や耐久消費財の生産量、二輪・トラクターの販売台数、住宅ローンの貸し出しなどが好調に推移し国内消費需要が拡大していることから、引き続き、経済成長が加速するとした。

また、今後の経済見通しについては、世界的な金融情勢の変化や海外の保護主義政策が経済に与える影響に懸念を示しつつ、金融機関の財務健全化を継続し、国内経済を強化していくことが重要だとの見解を示した。次回の金融政策決定会合は6月5~6日に開催される予定だ。

(山本直毅)

(インド)

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