2017年のGDP成長率、4年ぶりプラスに

(マカオ)

香港発

2018年04月16日

2017年のマカオの実質GDP成長率は9.1%と、2013年以来4年ぶりにプラスに転じた(図1参照)。名目GDPの総額は、4,042億マカオ・パタカ(約5兆2,546億円、1マカオ・パカタ=約13円)、1人当たりGDPは62万2,803マカオ・パタカとなった。

図1 マカオの実質GDP成長率の推移

カジノ産業の回復が奏功

需要項目別の実質寄与度をみると、消費支出が0.6%、固定資本形成がマイナス2.2%だった。純輸出は10.6%となり、同寄与度が突出して高い。中でもサービス輸出の増加が全体を押し上げた。3年連続でマイナスが続いていたサービス輸出は前年比15.4%増と、前年(マイナス1.0%)から16.4ポイント上昇した。同分野の内訳は、カジノ分野のサービス輸出が16.4%増と、前年(マイナス4.6%)から21.0ポイント上昇した。加えて、観光分野が15.4%増と、前年(5.9%)から9.5ポイント上昇した。

さらに、財輸出は前年の20.5%減から12.3%増に転じた。一方、個人消費は1.6%増で、政府消費支出は1.7%増だった。固定資本形成は10.0%減だった。

2017年の四半期別の実質GDP成長率をみると、第3四半期は6.3%と伸び率が低下したが、第4四半期は8.0%と1.7ポイント拡大し、6四半期連続でプラスとなった(図2参照)。

図2 マカオの実質GDP成長率の推移(四半期ベース)

個別の指標をみると、カジノによる収入額は、2016年に2,241億2,758万パタカまで落ち込んだが、2017年は2,666億698万パカタと前年比19.0%の増加に転じた。マカオへの訪問客数は、2017年8月23日にマカオなどを襲った台風13号(ハト)の影響で同年8月が前月比0.6%減となったが、後半に回復し、3,261万500人(前年比5.4%増)で2年連続の増加となった。うち、中国からの訪問客数は8.5%増の2,219万6,200人と全体の67.7%を占めている。中でも、広東省からの訪問客数が923万2,600万人と、中国からの訪問客全体の41.6%を占めている。

(吉田和仁)

(マカオ)

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