ウクライナ、CISからの離脱を正式表明

(ウクライナ、CIS)

欧州ロシアCIS課

2018年04月16日

ウクライナのぺトロ・ポロシェンコ大統領は4月12日、キエフで行われた安全保障に関する国際フォーラムで演説し、独立国家共同体(CIS)の枠組みから離脱することを正式に表明した。また、同大統領は内閣に対し、離脱に関する法案の準備とミンスクのCIS本部からのウクライナ代表部の完全撤収を指示したことを明らかにした。

ウクライナは1993年、崩壊した旧ソ連邦構成諸国からバルト諸国を除いた12カ国で発足したCISの創設に当初より関与。しかし、CIS憲章はその後も批准せず、CISの正式メンバーではなく、CIS創設国・パートナー国として活動に参加していた。

ポロシェンコ大統領は併せて、CISの枠組みで締結された条約・協定などの内容とウクライナの国益との整合性の見直しを内閣に求めた。また、ロシアとの間で1997年5月に締結された友好・協力・パートナー条約の一部条項の破棄の意向も表明したもよう(タス通信4月12日)。加えて、4月6日に米国が導入した対ロシア追加経済制裁(2018年4月10日記事参照)の内容に合わせ、ウクライナも同様の措置を準備するよう内閣、国家安全保障会議などに指示を出した(ノーボスチ通信4月10日)。

CISからは、ジョージアが2009年8月に脱退している。ウクライナの脱退手続きが完了すれば加盟国は10カ国(ロシア、ベラルーシ、モルドバ、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、アルメニア)となる。

(高橋淳)

(ウクライナ、CIS)

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