第1四半期貿易収支は約27億ドルの黒字

(ベトナム)

ハノイ発

2018年04月24日

ベトナム税関総局によると、2018年第1四半期の輸出は555億6,300万ドル(前年同期比24.8%増)、輸入は528億7,000万ドル(13.3%増)だった。貿易収支は26億9,200万ドルの黒字となり、前年同期の21億3,700万ドルの赤字から一転した。

内外資本別の貿易収支は、外資企業が80億5,400万ドルの黒字(46億9,100万ドル増)、国内企業53億6,200万ドルの赤字(1億3,800万ドル増)となっており、貿易黒字における外資企業への依存体質がより鮮明化した。

主要国・地域別では、輸出相手先1位は米国で103億4,100万ドル(前年同期比19.8%増)、輸入相手先では、1位が中国で136億7,500万ドル(8.6%増)となった(表1参照)。

表1 ベトナムの主要国・地域別輸出入(通関ベース)

主要品目別にみると輸出では、1位が「電話機・同部品」で125億9,700万ドル(前年同期比62.3%増)、2位が「縫製品」、3位が「コンピュータ電子製品・同部品」となった(表2参照)。「電話機・同部品」は中国向け輸出が大幅に増加しており(5.8倍)、韓国系を中心とするスマートフォンメーカーなどが、当地に集積しつつある生産拠点から同国向けに中間財や完成品の輸出を増加させたことの表れと見ることができる。このほか上位品目の中では、「鉄鋼製品」の伸びが顕著だったが、これは中部ハティン省のフォルモサ製鉄所(台湾資本)が2017年に商業生産を開始し、一部製品が輸出されるようになったことなどが要因と考えられる。

表2 ベトナムの主要品目別輸出(通関ベース)

輸入では、1位が「コンピュータ電子製品・同部品」で104億2,100万ドル(前年同期比31.4%)、2位が「機械設備・同部品」、3位が「電話機・同部品」となった(表3参照)。

「コンピュータ電子部品・同部品」は、韓国と中国からの輸入が全体の6割を占め、特に韓国からの輸入が大幅に増加した(52.8%増)。越韓自由貿易協定(FTA)発効後の関税削減効果などもあり、現地生産拠点向けの生産財輸入が多くなったものと考えられる。

表3 ベトナムの主要品目別輸入(通関ベース)

(柴田知賢)

(ベトナム)

ビジネス短信 7242cfecbf0b947e