アラバマ州モービル港、RORO船ターミナル新設へ

(米国)

アトランタ発

2018年04月27日

アラバマ州港湾局は4月17日、アルゼンチンとチリの合弁企業との間でアラバマ州モービル港にRORO船のターミナルを新設する覚書を締結した。覚書の相手となる企業はアルゼンチンのサラテ・ターミナルとチリのSAAMプエルトとの合弁企業であるAutoMobile International Terminal。RORO船はトラックやトレーラーなどの車両を自走式で甲板に収納できる貨物船。

アラバマ州の2017年の自動車輸出総額は77億5,000万ドルと全米3位で、88カ国に輸出し、州の輸出品目トップだ。それにもかかわらず、州内で生産された自動車はこれまでサウスカロライナ州など他州の港から輸出されていた。RORO船ターミナルの新設は、州内自動車メーカーに利便性を提供することとなる。州内にはホンダ、メルセデス・ベンツ、現代の完成車工場があり、さらに2018年1月にはトヨタとマツダの合弁工場建設が発表、米国トラックメーカーのオートカーも工場建設を発表したばかりだ。

覚書を締結したアラバマ州港湾局のジェームズ・リヨンズ局長は、中南米およびその他地域への自動車物流にとって大きな一歩となると述べ、現在はサウスカロライナ州のチャールストン港を利用しているメルセデス・ベンツが将来、モービル港を南米輸出に利用する可能性も期待している。

同席したアラバマ州商務省のグレッグ・キャンフィールド長官も、州内の自動車関連企業が今後も成長していく上で重要なインフラ基盤となると話しており、同州の重点産業である自動車産業への期待がうかがえる。

RORO船ターミナル建設総額は6,000万ドルと見積もられている。同州は3月、連邦政府からの合計4,150万ドルを超える補助金交付が決定したことを発表していた。

新ターミナル建設は2018年中に着工し、2019年末までには完成する予定。

(ラマース直子)

(米国)

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