アリエフ大統領が4選、産業の多角化が課題

(アゼルバイジャン)

欧州ロシアCIS課

2018年04月12日

アゼルバイジャンで4月11日に大統領選挙が行われ、現職のイルハム・アリエフ氏が再選を果たした。今後、憲法裁判所による確認を経て選挙結果が確定する。4期目となる任期は2025年まで。同大統領は56歳で、初代大統領を務めたヘイダル・アリエフ氏の長男。ヘイダル・アリエフ氏は、1993年のソ連崩壊から10年間同国の大統領だった。

脱石油依存を模索

大統領選挙で野党は選挙をボイコットし、選挙戦は8人の候補者で争われたが、アリエフ大統領の再選は確実といわれていた。選挙は当初2017年10月に行われる予定だったが、2018年4月に延期されていた。

同大統領は2016年9月に国民投票を実施し、憲法を改正し大統領の任期を5年から7年に延長したほか、2017年2月には妻であるメフリバン・アリエワ氏を第1副大統領に任命、権力基盤を強化している。

政権の重要課題は、2014年以降の石油価格下落に伴い落ち込んだ経済の回復。アリエフ大統領は4月9日の閣議で、「原油価格は安定してきたが、経済構造改革は継続しなければならない」と述べ、原油価格が国の経済動向に直結する構造を転換すべく、産業の多角化に引き続き取り組む姿勢を示している。その一方、天然資源開発による富が一部に集中する構造は変わらず、選挙後に通貨切り下げが再度(注)行われる可能性も指摘されており、2018年秋に向け経済の先行きを不安視する見方もある(「ガゼータ・ルー」4月11日)。

(注)2015年2月には通貨マナトの切り下げ、同年12月にはマナトの変動相場制移行による為替レートの下落が起きている。

(高橋淳)

(アゼルバイジャン)

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