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5年目を迎えたマリエル特別開発区

(キューバ)

米州課

2018年04月09日

キューバが進める外資誘致政策の中で、唯一100%海外資本での投資が認められているマリエル特別開発区(ZEDM)が2018年で5年目を迎えた。新外国投資法と並んで、国家の目玉プロジェクトとして2014年に始動してから、キューバ政府は同区に年間3億ドルを投資してきた。

2017年発表された投資機会ポートフォリオによると、マリエル特別開発区(ZEDM)における有望案件は新たに29件が追加され、全体で26件増の50件となっている(具体化した、または交渉中のプロジェクトは除外)。

キューバ商工会議所へのヒアリングでは、同区では主にバイオ・医薬品産業、再生可能エネルギー産業、食品産業、ロジスティクスなどが優先され、投資額制限などもなく、キューバ政府が進める輸入代替工業化と、それによる新たな雇用の創出と外貨獲得源として期待されているという。

承認された案件については、政府広報紙「グランマ」によると、ZEDMには16カ国から34社が承認されている(キューバ5、スペイン8、フランス3、ブラジル3、オランダ2、ベルギー2、メキシコ2、パナマ1、エルサルバドル1、プエルトリコ1、ベトナム1、カナダ1、イタリア1、ポルトガル1、スイス1、韓国1)。承認企業の内訳は、キューバ資本100%が5社、外国資本100%が19社、合資企業が8社、国際経済提携契約投資が2件となっている。投資受け入れ総額は、11億9,140万ドルで、4,888人分の雇用を創出している。日系企業の参入は今のところない。

キューバ商工会議所によると、投資機会ポートフォリオに掲載された案件とその投資額などは、あくまでもキューバ政府による試算で、提案や交渉の余地はあるとしている。なお、現在既に稼働しているのは、医療医薬分野、物流や倉庫機能などのロジスティクス分野、建設分野、農産業分野、不動産分野などの10社だが、一部工場や周辺インフラの建設に遅れが生じているとの情報もある。実際、2016年11月に竣工(しゅんこう)が発表されたブラスキューバシガリージョス(キューバ国営TABACUBAとブラジルのたばこ大手SOUZA CRUZの合弁企業)の同区工場も未稼働だ。

他国にはないコストも

カリブ有数のハブを目指すZEDMには、コンテナターミナルも完備されている。現在の同ターミナルの取扱貨物数は、82万2,000TEU(20フィートコンテナ換算)だが、最大300万TEUまで拡張ポテンシャルを有しており、周辺の初期のロジスティック区画と浚渫(しゅんせつ)工事が済んでいる。一方で、直接雇用が認められておらず、乗用車の民間購入は高額な付加手数料が伴うなど、他国ではみられないコストや、依然と続く米国による経済制裁などの影響もあり、日本企業の場合、大手企業を中心にキューバビジネスに直接乗り出す製造業は少ないのが現状だ。日本からは中小製造業による、キューバに根付いてビジネスを行っている日系商社を通じての輸出販売や、その他スペインや中国などの投資プロジェクトに対する売り込みなどにビジネス機会を発掘するというのが現実的な選択肢となっている。

(設楽隆裕)

(キューバ)

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