BtoC向けeコマース市場、1兆ルーブルを突破

(ロシア)

モスクワ発

2018年04月13日

インターネット取引業協会(AKIT)によると、2017年のBtoC向けeコマース販売額は前年比13.0%増の1兆400億ルーブル(約2兆円、1ルーブル=約1.9円)となった(図参照)。統計を取りまとめたAKITの2017年9月時点の見通し(1兆1,500億ルーブル)や、2016年の伸び率(21.1%増)を下回った。

図 BtoC向けeコマース販売額の推移

AKITは、2017年の伸び率が9月時点の見通しより低かった要因の1つとして、消費者の購買力の減少を挙げた。連邦国家統計局によると、2017年の実質可処分所得は前年比1.7%減だった。

強まる海外からの購入傾向

消費者は海外から商品を購買する傾向を強めている。販売額に占める海外取引のシェアは前年の33%から36%に拡大した。他方、AKITによると、外国から購入する商品の61.4%は、価格が22ユーロ以下だという(「コメルサント」紙4月4日)。

企業によっては市場全体の伸びを上回る実績を挙げている。家電量販店Mビデオのネット販売額は前年比41%増、衣料品などをネット販売するワイルドベリーズの販売額は40%増を記録した(「ベドモスチ紙」4月4日)。

2018年の見通しについてAKITは、食品や建材のネット販売が拡大し、全体で20%増の1兆2,500億ルーブルになると予測している。インターネット取引における配送の約3分の2を取り扱うロシア郵便の発表(4月4日)によると、2018年第1四半期の国際宅配便取扱個数は前年同期比35.0%増の9億5,700万個だった。同社は2018年にモスクワ郊外のブヌコボ集配センター第2期工事を実施するほか、今後2~3年で全国に物流センターを建設するとしている。

(浅元薫哉)

(ロシア)

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