決選投票で与党カルロス候補が逆転勝利

(コスタリカ)

米州課

2018年04月05日

コスタリカの大統領選の決選投票が4月1日に行われ、現与党で中道左派・市民行動党(PAC)のカルロス・アルバラド候補が約60%の得票率で勝利した。2月4日の第1回投票では、対抗馬の右派で守政党の国家復興党(PRN)のファブリシオ・アルバラド候補が得票率で1位だったが、逆転で勝利した。カルロス氏は新聞記者から前労働・社会保障相の38歳で、コスタリカ史上最年少の大統領となる。任期は2018年5月8日から4年間。自由貿易の拡大やOECDへの加盟、太平洋同盟への正式加盟など、現政権の方針はおおむね引き継がれるものとみられる。

第1回投票で争点となったのは同性婚やLGBTを容認するかどうか、というものだったが、決選投票では、それぞれの政権公約を掲げての戦いとなった。経済面では公的債務残高が対GDPで49%と高率であることや慢性的な財政赤字、社会面では男女格差や貧富格差の早期解決、ならびに教育の拡充や道路インフラの整備を優先して実施するとうたったカルロス氏に支持が集まった。

野党が過半数の議会に

新政権発足後は議会運営がポイントとなる。第1回投票時、国会議員選挙(定数57、連続再選禁止)が同時に開催された。この結果、最大野党の国民解放党(PLN)が第1党を維持し(17議席)、ファブリシオ氏のPRNが大躍進し第2党(14議席)、カルロス氏のPACは議席を減らし第3党(10議席)、その他が16議席となった。上位2位の野党で過半数を占める国会において、任期中の公約をどれほど実現できるかはカルロス氏と側近の手腕に掛かっており、カルロス氏は早速、全党首と会合を開いてコスタリカの発展のために協力を依頼するなど積極的な対話を始めている。

(志賀大祐)

(コスタリカ)

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