2017年度の輸出額、過去6年で最大の伸び

(インド)

チェンナイ発

2018年04月23日

インド商工省は4月13日、2017年度(2017年4月~2018年3月)の貿易統計(速報値)を発表した。2017年度の輸出額は3,028億4,000万ドルで前年度比9.8%増、輸入額は4,596億7,000万ドルで前年度比19.6%増となった。輸出額・輸入額ともに過去6年で最大の伸びで、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1,568億3,000万ドルの赤字となり、前年度の1,085億ドルに比べ赤字額が44.5%拡大した。原油価格の上昇が主因とみられる。

輸出額の上位2品目である石油製品、宝石・宝飾品以外の品目の輸出額は、2,224億5,000万ドルで前年度の2,008億9,000万ドルと比べ10.7%増加した。

最大の輸入品目である原油・石油製品の輸入額は1,091億1,000万ドルで、前年度の869億6,000万ドルと比べ25.5%増加した。商工省は、原油の国際価格が2018年3月時点で前年同月比27.9%上昇した影響を指摘している。原油・石油製品以外の輸入額は3,505億6,000万ドルで、前年度の2,973億9,000万ドルに比べ17.9%増加した。

2018年3月の輸出額は前年同月比0.7%減

同時に発表された2018年3月の貿易統計では、輸出額が291億1,000万ドルで前年同月比0.7%減、輸入額が428億ドルで前年同月比7.2%増となった。貿易収支は136億9,000万ドルの赤字で、2017年3月の106億5,000万ドルから28.5%拡大した。

輸出額の上位2品目である石油製品、宝石・宝飾品以外の品目の輸出額は224億2,000万ドルで、前年同月の214億4,000万ドルと比べ4.6%増加。主な輸出品目では、エンジニアリング製品が2.6%、有機・無機化学品が31.8%、医薬品・精製化学品が8.4%、織物用糸・布地が14.3%、コメが20.2%、前年同月比で伸びた。

原油・石油製品の輸入額は111億1,000万ドルで、前年同月の97億5,000万ドルと比べ13.9%増加。原油・石油製品以外の輸入額は316億9,000万ドルで、2017年3月の302億ドルと比べ5.0%増加した。主な輸入品目では、電子機器2.5%、機械33.4%、真珠・貴石0.8%、石炭44.7%とそれぞれ増加した。

今後の見通しについて、インド輸出機関連合(FIEO)のガネシュ・グプタ会長は、「銀行をはじめとする金融機関が融資基準を厳しくしており、輸出関連企業は資金繰りに窮している。新年度の先行きは明るくない」とした(「ビジネス・ライン」紙4月14日)。

(坂根良平)

(インド)

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