小麦粉・植物油への栄養素の添加義務が開始

(ベトナム)

ホーチミン発

2018年04月09日

政令09/2016/ND-CP(2016年1月28日公布)が2018年3月15日に完全施行され、ベトナム国内で使用される小麦粉と植物油に対し、栄養素の添加義務が開始された。ベトナム人に不足している栄養素の添加を目的としている。

表 政令09/2016/ND-CPの主な内容

本政令の適用範囲は、国内に流通する該当食品の生産・販売・輸入を行う組織または個人およびそれに関係する機関・組織・個人。一方、輸出業者および手作り製塩業を営む個人は適用外だ。

運用が不透明な中、追加投資コストのリスクも

塩、小麦粉、植物油は加工食品に欠かせない原料で、影響を受ける関係者は広範囲にわたることが予想される。その一方、本政令には添加量の明記はなく、罰則規定についても言及されておらず、実際どこまで実施が徹底されるかは不透明だ。しかし、2017年3月15日から先行的に対象となり、施行が開始された塩については、既にヨウ素入り食塩が流通しており、今後小麦粉や植物油へ厳格に適用される可能性は十分あり得る。

在ベトナム食品メーカーの多くは、商品をベトナム国内外へ供給している。表の3つの対象食品への栄養素添加を規制している国(日本では食塩へのヨウ素添加は禁止)があることから、今後、製造ラインを国内用と海外用に分け、新たな設備投資によるコスト増に直面するとの声が日系企業から上がっている。

(佐々木進伍)

(ベトナム)

ビジネス短信 4a8d0cb993335f2a