大統領選と総選挙、6月24日に前倒し実施へ

(トルコ)

イスタンブール発

2018年04月19日

エルドアン大統領は4月18日、野党・民族主義者行動党(MHP)のバフチェリ党首との会談後の記者会見で、2019年11月に予定されていた大統領選挙と総選挙を2018年6月24日に前倒しで行うと発表した。

今回の発表は、前日にバフチェリ党首が選挙の前倒し実施について「トルコの政治、外交を考慮すると2019年11月まで待つことは不可能」として提案するかたちで進められ、翌日のエルドアン大統領との会談で合意に至ったもの。ユルドゥルム首相は「6月24日に早期選挙を実施するには、選挙法の改正が必要だが、国会の一般審議で承認されるだろう」と述べた。

同選挙をめぐっては、与党・公正発展党(AKP)とMHPとの間で、2018年2月20日に「国民の同盟」を結成し、選挙での協力とMHPが大統領選挙においてエルドアン大統領の立候補を支持することで合意している。

一方、野党の反応では、エルドアン大統領とともに大統領候補として名前が上がっている右派の新党、改善党(IYI Party)のアクシェネル党首が「当初から早期選挙を想定した準備をしている。大統領選挙には何があっても立候補する」とコメントした。また、最大野党である共和人民党(CHP)のクルチダルオール党首は「早期選挙に向けた準備は既に整っている。2018年は民主主義の年になる」と、受けて立つ姿勢を示している。クルド系野党の国民民主主義党(HDP)のテメッリ副党首は「これは早期選挙ではなく、パニック選挙だ。政府にはトルコを治める力がなくなった」と述べた。

なお、トルコ国会は同日、前日の国家安全保障会議の勧告を受け、非常事態宣言をさらに3カ月延長することを決定した。早期選挙は非常事態宣言下で実施されることになる。

この発表を受けて、トルコ市場は為替、株価ともに好感した動きを示している。

現在の大国民議会(定数550)の議席数は表のとおり。

表 現在の国会議席

(エライ・バシュ)

(トルコ)

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