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高齢化で拡大が見込まれる医療機器市場-イラン産業ガイドブック(2)-

(イラン)

テヘラン発

2018年03月30日

『イラン産業ガイドブック』報告の第二回は、医療機器市場と再生可能エネルギー市場について説明する。現在、イラン人の平均年齢は31.1歳であるが、今後高齢化が進むと見込まれている。高齢化に伴い、医療機器市場は拡大し、2020年には約12億1,700万ドル規模になると予想されている。また再生可能エネルギー市場についても、イランは輸出のほとんどが石油・ガス関連製品であり、外貨収入を維持するために、再生可能エネルギーを導入して国内での石油・ガスの消費を削減することが急務となっていることから、今後市場拡大が見込まれている。

高齢化で拡大が期待される医療機器市場

イランは、人口約8,000万人のうち15歳から64歳が約70%を占めており、平均年齢は31.1歳と若く、65歳以上の割合は未だ6.1%に過ぎない。しかし図1の通り、29歳以下の人口が近年減少してきており、今後急速に高齢化が進むと予想されている。2025年までに65歳以上の人口割合が7%以上、2040年までに同割合が14%以上となる高齢化社会に、そして2050年までに同割合が21%以上となる超高齢社会になると見込まれる。

高齢化に伴い、医療機器市場は拡大すると見込まれている。イランの2017年の医療機器市場は約9億2,800万ドルだが、2020年には約12億1,700万ドルになると予想されている。2020年までの平均市場成長率は年間約9.5%で、高齢化社会に突入する2025年以降は、さらに同市場は拡大していくと考えられる。最近のイランの医薬品および医療機器の輸入額は表1および表2の通り、欧州からの輸入が目立っている。ただ、日本製品に対するイラン保健省の評価および期待は高く、今後市場も拡大する中で、日本製品がシェアを伸ばす余地は十分にある。

石油・ガスの国内消費削減のための再生可能エネルギー

イランは天然ガス埋蔵量第1位、原油埋蔵量第4位の資源大国であるものの、近年は再生可能エネルギーの導入に積極的だ。イランの品目別の輸出額をみると約2/3が石油で、残りの非石油製品についても大半が石油化学製品などの石油・ガス関連製品となっており、イランは輸出すなわち外貨獲得を石油およびガスに依存している。イランの第一次エネルギー消費は、図1の通り、98%が石油およびガスとなっており、再生可能エネルギーの割合は1%にも満たない。今後、経済成長によってエネルギー消費拡大が見込まれるなか、外貨収入を維持していくためには、再生可能エネルギーの拡大が必要不可欠となる。また、イランは気候変動抑制に関する多国間協定であるパリ協定を批准しており、2030年にBAU比(※注)で4%の削減目標を掲げている。この目標達成のためにも再生可能エネルギー導入は重要である。

2016年のイランの再生可能エネルギーによる発電量は、風力発電が53.88 MW、バイオマス発電が13.56 MW、太陽光発電が0.51MWであった。イラン政府は2021年までに再生可能エネルギーによる発電量を5,000 MWとすることを目標としているが、目標達成には多額の投資および海外からの技術移転が必要になる。イラン政府は、再生可能エネルギー発電に対して固定価格での買取を実施して、投資誘致を行っている。

最近では、太陽光発電で外国企業がイラン企業との提携を発表する事例が増えている。例えば、ノルウェーのSaga Energy社が25億ユーロ規模の、英国のQuercus 社が5億ユーロ規模の太陽光発電プロジェクトに関する合意が発表されている。外国企業によるこれら合意が、今後着実に履行されていくのか否かが、イラン政府の目標達成の鍵となりそうだ。

(注)Business-As-Usualの略。追加的な対策を講じなかった場合の温室効果ガスの排出量のこと。

(藤塚理)

(イラン)

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