天猫国際、2017年は日本からの輸入額が1位に

(中国)

上海発

2018年03月07日

電子商取引(EC)大手アリババグループ傘下の越境ECプラットフォーム「天猫国際(Tモール・グローバル)」が2017年の消費トレンドレポートをまとめた。国・地域別の輸入額で日本は前年の2位から1位に浮上し、美容ケアを中心とする日本商品への旺盛な需要がうかがえる。1990年代に生まれた「90後」世代が商品の個性化・多様化・高品質に価値を見いだし、消費トレンドを牽引している。

日本の紙おむつや美容関連が人気

2月6日に越境ECプラットフォームの天猫国際が発表した「2017年の天猫国際における消費トレンドレポート」によると、天猫国際で取り扱う商品は世界68カ国・地域から約3,700種類、1万6,400ブランドに達した。

日本からの輸入額は国・地域別で2016年の2位から1位に浮上し、紙おむつや美容フェースマスク、美容器具が売れ筋の上位3商品だった(表参照)。美容ケア商品の人気は年々高まっており、天猫国際の輸入総額の約3割を占める。また、2位の米国や3位のオーストラリア、4位のドイツの人気商品には健康食品、ベビー用品などが挙がった。上位3カ国で輸入総額の47.9%を占めた。ギリシャやチリ、ポーランド、ハンガリーなどは輸入額こそ小さいものの、越境EC以外の入手ルートが少ないこともあり、高い伸びをみせた。

表 天猫国際の2017年の越境EC輸入額上位5カ国と売れ筋商品(注)順位のかっこ内は2016年
順位 売れ筋の上位3商品
1(2) 日本 紙おむつ、美容フェースマスク、美容器具
2(1) 米国 健康食品、ベビー用栄養補助食品、レディースバッグ
3(4) オーストラリア 健康食品、ベビー用栄養補助食品、大人用粉ミルク
4(5) ドイツ ベビー用粉ミルク、健康食品、コップ・水筒
5(3) 韓国 美容フェースマスク、フェースケアセット、日焼け止め

(出所)天猫国際の発表

天猫国際の利用者は2015~2017年の3年間で約3倍に拡大し、高品質かつブランド力のある商品のニーズが高まっている。上海市や深セン市などの利用者が依然として多いが、河南省や安徽省など内陸地域でも大きく伸びた。1990年代に生まれた「90後」世代が利用者の半分近くを占め、商品の個性化・多様化・高品質に価値を見いだし、消費トレンドを牽引している。また、日常的にネットショッピングを利用し、ユニークな新商品、タレントやアイドルが愛用する流行の商品を求める傾向もみられたという。

2017年の中国の越境EC輸入は18%増

中国の越境EC市場は、所得水準の向上やスマートフォンの普及により、若者を中心に急速に拡大している。シンクタンク易観の発表によると、2017年の越境EC輸入(BtoC)額は前年比18.0%増の約3,604億元(約6兆1,268億円、1元=約17円)に達した。伸び率は2014年以降低下傾向にあるものの、今後も着実に成長すると見込まれている(図参照)。

2017年の中国における越境EC輸入額は、アリババの販促イベント「双11(ダブルイレブン)」で急成長した天猫国際が約4分の1を占め最大で、以下、網易考拉海購(kaola.com)、京東全球購(jd.hk)、唯品国際(global.vip.com)、アマゾン中国(amazon.cn)の順となっている。

図 中国越境EC輸入額(BtoC)の推移

(劉元森)

(中国)

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