2017年の映画興行収入首位は国産映画で50億元超え

(中国)

北京発

2018年03月30日

国家新聞出版広電総局の発表によると、2017年の中国の映画興行収入は前年比13.5%増の559億1,100万元だった。映画館の延べ観客数は16億2,000万人、スクリーン総数は5万776面に達した。中国映画「戦狼2(Wolf Warriors 2)」は興行収入で首位となり、その額は56億7,875万元だった。日本映画(合作を含む)は10作品あり、うち6作品がアニメ映画だった。

引き続き拡大する映画市場

国家新聞出版広電総局の発表によると、2017年の中国における映画興行収入は前年比13.5%増の559億1,100万元(9,504億8,700万円、1元=約17円)であった(注1)。中国国産映画が興行収入全体の53.8%を占め、その金額は301億400万元だった。

2017年に興行収入が1億元を超えた映画は92作品、うち中国国産映画は51作品だった。5億元を超えた映画は13作品で、うち中国国産映画は6作品だった。中国国産映画の海外での興行収入および販売収入は前年比11.2%増の42億5,300万元となった。また、中国国産映画(注2)の制作数は3.8%増の798作品だった(添付資料の表1参照)。

2017年の映画館の延べ観客数は前年比18.1%増の16億2,000万人となった。中国で新設されたスクリーン数は9,597面、スクリーン総数は5万776面に達した(添付資料の表2参照)。

国家新聞出版広電総局の張宏森副局長は2017年11月26日に杭州で開催された青年創作人員専題学習座談会にて「2020年までに中国映画市場は世界でトップとなり、スクリーン総数は6万面を超え、年間の制作映画数は約800本となり、映画興行収入は700億元に達する見通しである」としており、今後も中国の映画市場は拡大する見込みだ。

トップは興行収入50億円超え

娯楽産業専門メディア・芸恩の発表データによると、2017年の中国における興行収入1位は、呉京監督による中国映画「戦狼2(Wolf Warriors 2)」で興行収入は56億7,875万元だった。2位は米国映画「The Fate of the Furious 8」の26億7,096万元、3位は中国映画「羞羞的鉄拳(Never Say Die)」の22億175万元と続いた(添付資料の表3参照)。また、2017年に中国で上映された日本映画(合作を含む)は10作品あり、うち6作品が「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」「ソードアートオンライン -オーディナル・スケール-」などのアニメ映画だった。2017年12月より上映された日中合作映画「空海-KU-KAI-」は2017年末時点で4億6,000万元を超え、日本でも2018年2月24日より公開されている。

(注1)サービス料を除いた分帳(利益分配方式)の興行収入は約523億7,000万元。

(注2)ストーリー映画のみ(アニメ映画、科学教育映画、記録映画、特殊映画を除く)。

(赤澤陽平)

(中国)

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