北東3州でBJPが勢力拡大-トリプラ、ナガランド、メガラヤの州選挙が開票-

(インド)

ニューデリー発

2018年03月30日

インド北東部の3つの州(トリプラ、ナガランド、メガラヤ)の州議会選挙の開票が行われた。長らく最大野党国民会議派や地域政党が優勢を保ってきた地域であったが、今回、各地でインド人民党(BJP)がその勢力を大きく伸ばした。モディ首相が掲げる北東地域の開発にも一段と弾みがつくとみられる。

北東部でBJPが大健闘

インド北東部に位置するトリプラ州、ナガランド州、メガラヤ州で州議会選挙が実施され、3月3日に開票された。各州でモディ首相率いる政権与党のインド人民党(BJP)が勢力を拡大した。

トリプラ州ではBJPが地域政党のトリプラ先住民戦線(IPFT)との連立で選挙戦に臨み、BJP単独で議会の過半数を超える35議席を獲得。連立の総議席数は43議席に達し、1998年から政権を担ってきたインド共産党(マルクス主義)から20年ぶりに政権を奪取した。

ナガランド州ではBJPは2013年の前回選挙で一議席も確保できていなかったが、今回は地域政党の国家民主主義革新党(NDPP)との連立を組み、28議席を獲得した(BJP単独では12議席を確保)。メガラヤ州でも同様に、BJPは前回選挙では議席を有していなかったが、今回の選挙では地域政党の国家人民党(NPP)と連立を組み21議席(BJP単独では2議席)を獲得した。これら2州の州議会選挙では、結果としてどの政党も過半数議席を獲得できなかったが、開票後に実施された議会投票でBJPを含む連立政権が過半数支持を獲得したことから、両州でこれらの連立政権が政治の舵を握ることとなった。

この結果について、モディ首相は「今回の選挙結果はゼロから頂点への旅路」だと表現している(3月3日、インディアン・エクスプレス)。

周辺国との連結性見据えた北東部の開発

これまで地域政党や国民会議派が勢力を持っていた北東部におけるBJPの勝利は、同地域でのBJP支持の高まりを示している。モディ政権は東南アジアやバングラデシュなどの周辺国・地域との連結性強化を推進する中で、北東地域の開発を重要視してきたが、今回の勝利はこれが評価された結果といえよう。今回の選挙を経て、BJPが連立含め政権を担う州は29州中19州となった。

(古屋礼子)

(インド)

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