2017年の自動車生産・販売台数ともに3年連続で減少

(台湾)

中国北アジア課

2018年03月30日

2017年の台湾の自動車生産台数は前年比5.8%減の29万1,563台、販売台数(輸入車含まず、輸出向けを含む)は5.9%減の29万5,289台となった。生産台数、販売台数がともに減少したのは、これで3年連続となる。

台湾製は不振も、輸入車は堅調

業界団体の台湾区車両工業同業公会によると、2017年の自動車生産台数は前年比5.8%減の29万1,563台、販売台数(輸入車含まず、輸出向けを含む)は5.9%減の29万5,289台となった(添付資料の図参照)。販売台数のうち、台湾域内の販売(輸出向け、輸入車ともに含まず)は2.5%減の25万5,770台、輸出は23.2%減の3万9,519台と域内販売、輸出ともに2015年以来3年連続でマイナスとなった。

生産台数をメーカー別にみると、1位はトヨタと日野自動車が出資する国瑞汽車となったが、前年比16.6%減の12万3,418台、構成比は前年より5.5ポイント低下し42.3%だった(添付資料の表1参照)。2位は日産と合弁会社を持つ裕隆汽車製造(構成比18.8%、注1)で5.1%減、3位は中華汽車(17.0%)で0.8%増となった。台湾本田汽車(10.9%)は30.0%増の3万1,692台、福特六和汽車(6.1%)は1.9%増の1万7,719台と、それぞれ減少から増加に転じた。

2017年の販売台数29万5,289台のうち、台湾域内における販売台数は86.6%を占めた。1位の国瑞汽車、2位の裕隆汽車製造は前年比で減少したものの、3位の中華汽車、4位の台湾本田汽車は増加している(添付資料の表2参照)。

自動車市場関連の業界サイト「U-CAR」によると、表2に含まれない輸入車の販売は前年比8.9%増の18万5,531台と、新車販売台数(輸入車を含む)の41.7%に達した(注2)。不振が続く台湾製の自動車販売とは対照的に、輸入車は引き続き堅調だった。構成比1位(17.4%)のトヨタは15.4%増の3万2,353台、2位(15.1%)のメルセデス・ベンツは12.3%増の2万8,017台と、ともに2桁増となった。3位(12.1%)のマツダ、4位(10.1%)のBMWは伸びがいずれも小幅に減少した。

U-CARは、輸入車増加の主な要因として、輸入車はニッチな需要を取り込み消費者が好む商品を提供できるなど台湾製の自動車よりも新世代商品の導入に柔軟性があることを挙げた。また、一般ブランド、高級ブランドにかかわらず、輸入車は価格設定や設備の豊富さにおいても競争力を持つ。

EVのナンバープレート使用税免除期限を延長

2017年11月14日、立法院は「ナンバープレート使用税法」の修正草案を可決し、12月6日公布した。これにより、電気自動車(EV)に課されるナンバープレート使用税の免除期限が当初予定の2018年1月5日から、2021年12月31日まで延長されることとなった。なお、今回の改正により、電動バイクがナンバープレート使用税免除の対象に加えられた。免税の適用期間は2018年1月1日から2021年12月31日までとしている。

台湾では、二酸化炭素排出量を2025年までに2000年の水準に引き下げることを目標に、各種輸送用車両の排出量低減に取り組んでいる。今回のEVや電動バイクに対するナンバープレート使用税免除もこれらの取り組みの1つと考えられる。

2040年を目標に自動車の全面電動化

2017年12月21日、台湾行政院が発表した「空気汚染防制行動方案」によると、大気汚染対策の一環として、ガソリン車両の販売禁止の政策目標を定め、公用車両および公共交通車両の全面電動化(2030年)、二輪車の全面電動化(2035年)、自動車の全面電動化(2040年)とした。

当局は、世界の多くの国々がガソリン車やガソリンバイクの販売禁止を提案するなか、台湾の産業はこうした国際社会と高度にリンクしているため、今回の目標は早期に達成できると信じていると述べた。

(注1)生産台数には日産との合弁の裕隆日産汽車なども含む。

(注2)U-CARウェブサイト「2017年12月台湾自動車市場販売報告」(2018年1月2日)より。

(嶋亜弥子)

(台湾)

ビジネス短信 b0166285c1a2f010