モーリシャス、日本企業の投資に高い期待-外国直接投資誘致が加速するモーリシャスでビジネスミッション開催-

(モーリシャス)

ヨハネスブルク発

2018年03月30日

モーリシャス共和国独立50周年、在モーリシャス日本国大使館設立の機会を捉え、ジェトロは在南アフリカ日本商工会議所と共催の下、2月20~22日の3日間モーリシャスの首都ポートルイスでモーリシャスビジネスミッションを開催した。12社15人の南ア進出日系企業が参加し、首相をはじめとする閣僚表敬、ビジネスセミナー、市場視察等を通じて同国の政府機関、民間企業関係者から日本企業の投資への高い期待が寄せられた。

モーリシャス首相をはじめとする5人の閣僚表敬

2017年1月に在モーリシャス日本国大使館が設立され、同年8月には大使が着任し、日本への期待が寄せられる中で、今回のミッションでは、プラヴィント・クマール・ジュグノート首相兼財務・経済開発相、イヴァン・コレンダヴェル副首相兼エネルギー公共施設相、ヴィシュヌ・シータナー・ラチュミナライドゥ外務・地域統合・国際貿易相、ヨギダ・ソーミナデン技術・通信・イノベーション相、ナンドクマール・ボダ公共インフラ陸運相の5人の閣僚を表敬した。

プラヴィント・クマール・ジュグノート首相は、今回の訪問に感謝するとともに、日本との経済交流、日本企業の投資に高い期待を寄せていると述べた。

在モーリシャス日本国大使館加藤義治特命全権大使は、大使館設立を機に一層の二国間の経済連携を図っていきたいと述べた。続いて、在南アフリカ日本商工会議所の高橋和之会頭(アフリカ住友商事会社・社長)は、モーリシャス側の日本への強い期待感を感じるとともに、多くのビジネス展開の可能性を感じた。一方、今後そうした期待に日本の各企業がどう応えていけるのかが課題だと言及した。

アフリカと周辺国をつなぐビジネス拠点

ミッション初日に開催されたビジネスセミナーでは、同国の経済概況等について貿易振興機関等より説明があった。セミナー冒頭であいさつしたイヴァン・コレンダヴェル副首相兼エネルギー公共施設相は、モーリシャス共和国は、人口126万人、面接2,045平方キロメートル(東京都とほぼ同じ)と小規模ながらも、一人あたりのGDPが9,000ドル

(世界67位)を超え、外国直接投資誘致が加速し、かつては、サトウキビなどの農業、繊維産業が主要産業であったが、経済産業多角化に成功し、それら伝統産業に加え、IT産業、金融産業、海洋産業(水産加工・養殖、海洋環境に配慮した設備投資・再生エネルギーなど)を通じた更なるビジネス展開に力を入れていると述べた。

さらに、多くの人が英語•フランス語を話す国民性を基にした優れた人材を活用し、外資優遇措置や諸外国との投資協定提携も進めるなど外国企業へのインセンティブを積極的に展開し、地理的利点を活かしたアフリカおよびアジア、欧州、中東などの各地域をつなぐビジネス拠点として存在感を高めており、首都ポートルイスを中心にインフラ整備が加速していることを強調した。

大型公共インフラプロジェクト参入に期待

ナンドクマール・ボダ公共インフラ陸運相は、「今後の大型公共インフラプロジェクトを重点的に進め経済発展を加速していく過程において、質の高いインフラ技術ノウハウを有する日本企業の投資に期待している。今後5年、10年間の間で、同国は劇的に変化を遂げるだろう。具体的には、公共インフラ整備、工業団地の建設、再生エネルギーの導入などを計画しており、日本企業には各プロジェクトへの参入を期待したい。」と述べた。

また、ヨギダ・ソーミナデン技術・通信・イノベーション相は、スマートシティー建設、フィンテックなどの導入において日本の優れた技術や製品の紹介に期待を示した。

写真 ビジネスセミナーでスピーチを行うイヴァン・コレンダヴェル副首相兼エネルギー公共施設相(ジェトロ撮影)
写真 港湾施設を視察するミッション参加者一行(ジェトロ撮影)
写真 ヴィシュヌ・シータナー・ラチュミナライドゥ外務相表敬訪問(ジェトロ撮影)

(築舘弘和)

(モーリシャス)

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