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自動車生産・輸出が過去最高を更新-2017年のトルコ自動車産業(1)-

(トルコ)

イスタンブール発

2018年03月30日

2017年にトルコで生産された自動車は、前年比12.6%増の167万3,664台、輸出は16.8%増の133万2,794台と生産、輸出ともに過去最高を記録した。この結果、生産における輸出車比率は前年の76.8%から79.6%に拡大した。なお同年、レジェップ タイイップ エルドアン大統領は2019年の生産開始に向けた国民車構想を発表した。

輸出主導で乗用車生産が100万台を超える

自動車工業協会(OSD)によると、2017年の自動車生産は、国内販売の鈍化傾向が続く一方、EU向けを中心に輸出の好調が続いているため、年間目標の170万台には及ばなかったものの過去最高だった2016年の148万台を超えた。生産全体の67.0%を占める乗用車は前年比17.9%増の112万839台と大きく伸びた。一方、内需のシェアが大きい商用車は3.3%増の55万2,825台にとどまった(表1参照)。

商用車では主力のピックアップが前年比0.1%増にとどまったが、観光部門の回復もあり、小型、中型バスはそれぞれ23.9%増、12.1%増となった。また2016年半減した大型トラックが30.8%増、小型トラックが61.5%増と回復した。観光部門など2017年の経済活動が全体的に回復基調にあることを示している(表2参照)。

輸出も過去最高の133万台、192億ドル

OSDによると、2017年の自動車輸出台数は前年比16.8%増の133万2,794台と2016年の15.0%増を上回る伸びとなり過去最高を更新し、金額でも25.1%増の191億4,800万ドルを記録した。自動車部品も10.0%増の98億3,850万ドルと好調だった(表3参照)。

トルコ輸出業者会議(TIM)によると、2017年のトルコからの輸出総額は、前年比11.9%増の1,473億1,587万ドルで、最大品目の自動車・同部品が19.5%増となった。自動車輸出を増加額の大きい順に国別で見ると、リラ安も追い風となり米国向けが倍増し最も拡大した。EU(構成比78.7%)向けも、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなど主要国が2ケタで増加し、全体で17.1%増と好調だった。日本向けも小規模ながら42.8増と好調だった(表4参照)。

輸出をアセンブラー別に見ると、トルコで生産を行っている13社全体では新型車を導入したトヨタが前年比2.3倍、同ホンダが同3.2倍と、日系2社の伸びが著しく、生産増加に大きく寄与している。自動車輸出で最大のフォード・オトサンが前年比15.6%増の29万6,840台、2位のオヤク・ルノーが6.6%増の28万7,915台と好調だったが、3位のトファシュ(フィアットとトルコのコチ・グループとの合弁)は前年に60.8%増と大きく増加した反動で3.1%減となったが水準としては高く、全体的に乗用車部門の輸出は好調だった(表5参照)。

国民車導入に向けて

エルドアン大統領は、2017年11月2日、プロトタイプの電気自動車を2019年に生産し、国内販売及び輸出を2021年に開始するという国民車計画を発表した。同計画には、アナドル・グループ(Anadolu Group)、BMC、クラチャ・ホールディング(Kiraca Holding)、テュルクセル(Turkcell)、ゾルル・ホールディング(Zorlu Holding)の大手5社によるコンソーシアムが参画する。トルコ政府は、2011年にエルドアン首相(当時)が実業界に提案して以来、国民車(純国産車)生産に意欲的な姿勢を見せており、2015年には中国系スウェーデン企業のNEVS(ナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン)からサーブ(Saab)「9-3」の知的財産権を、トルコ科学技術研究機構(TUBITAK)が買収している。トルコの国民車は過去にコチ財閥がフォードのライセンスで生産した「アナドル」(1966~84年)などがあったが、エンジンなどの主要コンポーネントは輸入品に依存していた。今回のプロジェクトはすべてを国産とする。

業界からは「純国産車」に懐疑的な見解も出ているが、エルドアン大統領の意向及びトルコ企業の活力を軽視することはできない。いすゞとの合弁事業を持つアナドル、BMC、カルサン自動車の親会社クラチャはいずれも商用車組み立てでは長い経験を有する。また、電気機器大手のゾルル・グループは、すでに2018年2月、同プロジェクトを視野に中国のGSRキャピタルとの合弁(均等出資)でバッテリー生産会社設立を決定している。同社は約45億ドルの投資でスマートフォン、スマートシティー、そしてEV用のバッテリーを生産する予定だ。

(中島敏博)

(トルコ)

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