法定最低賃金を5月から引き上げ、最低生活限度額と同額に

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年03月23日

2018年5月1日から法定最低賃金が1万1,163ルーブル(約2万90円、1ルーブル=約1.8円)に引き上げられる。1月に続く改定で、労働者の生活最低限度額と同額になる。

大統領の指示を8カ月前倒しで実現

プーチン大統領は3月7日、同日付の連邦法第41-FZ号「連邦法『最低賃金について』第1条の改正について」に署名した。これにより、5月1日から現行の月額9,489ルーブルから1万1,163ルーブルに引き上げられ、労働者の生活最低限度額(2017年第2四半期時点)と同額になる。

プーチン大統領は、2017年9月の閣僚会議で2019年1月までに法定最低賃金を生活最低限渡額に合わせるよう指示しており(2017年9月29日記事参照)、これを受けて法定最低賃金は2018年1月1日に月額9,489ルーブル(生活最低限度額の85%)へ引き上げられていた。今回の改定により、当初の計画より8カ月前倒しで最低生活限度額との統一が実現することになる。

連邦国家統計局によると、生活最低限度額未満の所得で生計を立てる貧困層は、2017年1~9月の平均で2,030万人、総人口の13.8%を占めている。プーチン大統領は3月1日の年次教書演説で、今後6年間で貧困率を少なくとも半分にまで下げ、実質所得を長期的に上昇させなければならないと述べていた。

なお、法定最低賃金は、税金、罰金・反則金、労災補償や産休・育休時の社会保険支払いの算出などにも利用される。

(戎佑一郎)

(ロシア)

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