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撮影誘致のインセンティブ導入や手続き円滑化を-日本コンテンツの海外展開に向け、ハリウッドから提言-

(米国)

ロサンゼルス発

2018年03月30日

ハリウッドの映像ビジネス関係者らで構成する「日本コンテンツの海外展開のためのロサンゼルス官民タスクフォース」が3月8日、日本に向けた提言を発表した。(1)撮影誘致や国際共同製作に対する国際標準並みのインセンティブ(税制優遇措置、補助金など)導入、(2)撮影手続きのワンストップ化およびスピード化、(3)国際共同製作時の手続きの円滑を確保する共同製作協定(条約)、(4)意思決定のスピード、権利関係の整理、資金調達などハリウッドスタイルを踏まえたビジネスモデルの構築、(5)日米の橋渡し役の育成・人材マッチングに、官民一体で早急に取り組むべきだと訴えた。

ハリウッドの関係者から意見聴取

タスクフォースは、俳優でプロデューサーでもあるマシ・オカ氏ら、ハリウッドでビジネスを行う実務家をメンバーとし、在ロサンゼルス日本総領事館とジェトロが事務局を務めるかたちで2017年に設置された。

諸外国では、国・業界が一体となりロケ誘致やハリウッドとの共同製作体制を構築し、ロビー活動も駆使してハリウッドでの存在感を高めることで、アカデミー賞の受賞や国内コンテンツ産業の振興に努めている。その影響もあってか、米国映画界では日本を舞台とした作品でも、日本以外で撮影されることがある。

タスクフォースでは、日本のコンテンツ産業は将来の国内市場縮小などを踏まえ、海外展開の在り方を再考すべきとの問題意識から、ハリウッドを拠点に活動する関係者の意見を聴取するとともに、ロサンゼルス周辺での撮影許可を担当する団体やカリフォルニア州でのロケ地誘致を推進する団体、韓国への撮影誘致および映画作品のプロモーションを行う団体などからも意見を聞いた。

こうした活動の下で行われたタスクフォースでの議論が、日本に向けた提言のかたちで取りまとめられ、ハリウッド関係者を含め約150人が集まった中で発表された。タスクフォースを代表して千葉明総領事に提言を手渡したマシ・オカ氏は、「日本は、他の多くの国が行っている映画製作に対するインセンティブが不足しているため、撮影誘致の機会を失っている。日本には多くの魅力あるロケ地があり、持続可能で国際水準のインセンティブがあればハリウッドから歓迎されるだろう」と述べた。

言語面のサポートや撮影手続きの簡素化が必要

日本が舞台の1つとなったドラマ「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」(Amazonビデオ配信)エグゼクティブプロデューサーのウィル・グレアム氏が、提言を発表した記念式典にゲストとして招かれ、「日本の食べ物はもちろん好きだし、ロケ地としての魅力があるので日本で撮りたいと思うが、撮影のためとなると、撮影費用をオフセット(補うことが)できるかどうかが問題となる」と、撮影場所選びには資金面の事情も影響することを説明した。また、日本はどうすれば撮影地としてより魅力的になるかという質問に、「言語の面で外国の撮影チームをサポートできる受け入れ体制と、良いロケーションへのアクセスの容易さとして撮影許可手続きの簡素化・短期化が必要だ」と答えた。

提言を受け取った千葉総領事は「日本が撮影地として選ばれることの重要性を日本政府に伝えたい」と語った。

タスクフォースの関係者(注)は、今後この提言が、内閣府に設置されている「ロケ撮影の環境改善に係る官民連絡会議」や「知的財産推進計画2018」「知的財産戦略ビジョン」の策定に向けた議論にも活用されることを期待している。

写真 提言を手渡したマシ・オカ氏(右)と握手する千葉明総領事(左)(ジェトロ撮影)

(注)日本コンテンツの海外展開のためのロサンゼルス官民タスクフォースの関係者は以下のとおり(五十音順、敬称略)。

◇タスクフォースメンバー

  • 大西美枝:マーザ・アニメーション・プラネットUSAプロデューサー
  • 海部正樹:WOWMAXグループ代表
  • 笹島一樹:住友商事アメリカ・シニアディレクター
  • マシ・オカ:俳優、プロデューサー、ジェトロアドバイザー
  • 光永眞久:カリフォルニア州・ニューヨーク州弁護士
  • モリ・コウ:ELEVEN ARTS 代表&最高経営責任者(CEO)
  • 鷲尾賀代:WOWOWロサンゼルス駐在事務所代表

◇オブザーバー

  • 日本政府観光局(JNTO)ロサンゼルス事務所
  • 国際交流基金ロサンゼルス事務所

◇事務局

  • 在ロサンゼルス日本総領事館
  • ジェトロ・ロサンゼルス事務所

(北條隆)

(米国)

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