2017年の実質GDP成長率は1.7%

(ベルギー)

ブリュッセル発

2018年03月30日

ベルギーの2017年の実質GDP成長率は1.7%となり、2016年の1.5%を0.2ポイト上回り、4年連続で1.0%以上の成長率となった。小売りやホテルなどの消費関連サービスの他にも、R&Dや法律関連サービスなどのBtoBサービスがベルギーの経済成長に貢献した。失業率も、2016年の7.8%から7.2%まで改善し、経済回復の勢いを印象付けた。

経済回復の勢いが加速

ベルギー国立銀行(NBB、中央銀行)は2月28日、2017年の実質GDP成長率を、1.7%と発表した。2015年の1.4%、2016年の1.5%と比べて、経済成長が加速した。

需要項目別にみると、民間最終消費支出は1.1%増となり、2016年の1.7%増からやや減速したものの、堅調に推移した。政府最終消費支出は1.1%増(前年は0.5%増)も拡大し、成長を支えた。国内総固定資本形成は1.0%増(前年3.6%増)、財貨・サービスの輸出は4.5%増(前年7.5%増)だった。

ベルギー国立銀行の分析によれば、世界の貿易の復活とユーロ圏の経済回復を受け、ベルギーでも力強い経済活動がみられた。世界での需要拡大を受けて、企業の投資も拡大した。2017年の民間最終支出は、2016年に家計の貯蓄率が減少したため、その反動で消費活動が抑えられた結果、実質1.3%の増加となった可処分所得のレベルに達せず、2016年より減速、1.1%増となった。政府が行ってきた賃金抑制と雇用者の社会保障負担を軽減させる政策を受けて、失業率は2016年の7.8%から7.2%まで改善した。2017年に創出された雇用は約6万6,000件に達し、2008年以降で最も大きな雇用の拡大となった。

燃料価格の高騰を受けて、2017年の物価上昇率は2.2%となった。

BtoBサービスが経済成長に貢献

産業別では、専門・科学・技術活動と管理・サポートサービス活動が5.9%増、情報通信が3.5%増、サービスが2.4%増、と成長を支えた。一方、農業・林業・水産業が9.4%減、工業(建設除く)が0.5%減、金融・保険が0.5%減と、マイナス成長となった。

ベルギー国立銀行によれば、小売りやホテルなどの消費関連サービスの他にも、R&Dや法律関連サービスなどのBtoBサービスがベルギーの経済成長に大きな役割を果たした。一方、2014、2015年の間に、経済成長を牽引した工業(建設除く)は、特に鉄鋼・コークス産業と、石油精製製品・核燃料産業の減速を受けてマイナス成長となった。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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