南部最大のエンジニアリング展示会開催-ジェトロは日系企業10社の販路開拓を支援-

(インド)

チェンナイ発

2018年03月30日

タミル・ナドゥ州チェンナイにおいてインド南部最大級のエンジニアリング展示会「International Engineering Sourcing Show 」が3月初旬、開催された。エンジニアリングは400万人の雇用を抱え、インドでも最も勢いのある産業の1つだ。ジェトロは展示会内にジャパン・パビリオンを設置し、日系企業10社の販路開拓を支援した。

日系企業10社が自社製品の販路開拓に取り組む

「International Engineering Sourcing Show (IESS)」は3月8日から10日にかけて、エンジニアリング分野における貿易・投資振興を目的に、チェンナイにて開催された。主催者であるエンジニアリング輸出振興協議会の発表では、インド国内外から350社がブースを出展。45カ国から500名のバイヤーが来場したほか、一般来場者約10,000名が展示会を訪れた。

ジェトロが設置したジャパン・パビリオンにはインド国内のほか、シンガポールおよび日本から計10社の日系企業がブースを出展した。同エリアではジェトロがアレンジしたものを含めて3日間で計51件の商談が行われた。出展企業からは、「新たな企業とのネットワークを構築することができた」、「今後のビジネスに繋がりそうな案件を幾つか発掘できた」などの声が聞かれたほか、成約見込まで商談が進んだケースも見られた。

TN州副首相が同州エンジニアリング産業の成長をアピール

8日の開会式にはパニールセルバンTN州副首相やサンパトゥTN州工業大臣などのほか、パートナーカントリーであるチェコ共和国よりトマーシュ・ヒネル産業貿易大臣が参加。挨拶に立ったパニールセルバン州首相は、「エンジニアリング分野における世界の有力企業が、TN州をエンジニアリング製品の調達先に選んでいる」とし、TN州が誇る最先端のR&D技術、製造能力をアピールした。更に、チェンナイ市内より西へ約60kmに位置するスリペルンブドゥール工業団地近くに航空宇宙産業向けの工業団地を250エーカー規模で開発していると言及(詳細は2017年11月29日記事参照)。航空宇宙産業および防衛産業の発展により、エンジニアリング産業へのニーズが高まることが期待される。

写真 開会式においてパニールセルバン州副首相があいさつ(ジェトロ撮影)
写真 開会式後、サンパトゥ州工業大臣らがジャパン・パビリオンを訪問(ジェトロ撮影)

インド経済を牽引するエンジニアリング

エンジニアリングは熟練・準熟練ワーカー約400万人の雇用を抱える、インドで最も大きな産業の一つだ。インドの産業化が一層進むにつれて、防衛や原子力、自動車部品をはじめとした幅広い分野でエンジニアリング製品へのニーズは高まり、今後も成長するものと見られている。また、国内市場においてだけではなく、インドの外貨獲得においてもエンジニアリングは欠かせない。インド商工省およびインド最大の経済団体であるインド工業連盟(CII)によって設立されたインド・ブランド・エクイティ基金(IBEF)によると、エンジニアリング製品の輸出額は2007年度から2016年度までの計10年間で年間平均成長率7.6%を記録したほか、2016年度の輸出額は652億米ドルにのぼり、同年度におけるインドからの輸出総額2,747億米ドルの23.7%を占めた。

(森史行)

(インド)

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