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産業別分科会ではビジネス情報を交換-「日・サウジ・ビジョン2030ビジネスフォーラム」開催(2)-

(サウジアラビア、日本)

中東アフリカ課、リヤド、ドバイ発

2018年02月01日

1月14日にリヤドで開催された「日・サウジ・ビジョン2030ビジネスフォーラム」の午後は「ビジネスセッション」と題し、サウジアラビア側から3つの巨大プロジェクトと新たな投資環境整備の取り組みについての説明が日本企業向けに行われた。その後は3つの分科会において、サウジ側から投資機会の紹介、日本側からは各社の同国でのビジネス展開方針や協力可能性についての説明があった。翌15日には、サウジ側主催の産業視察ツアーも開催された。連載の後編。

ギガ・プロジェクトと投資環境整備の新施策を説明

ビジネスセッションの最初のプログラムでは、公共投資基金(PIF)から現在計画中の巨大な都市開発プロジェクト、サウジアラビア総合投資院(SAGIA)から民間部門への投資促進委員会タイシーラ(Tayseer)の説明が行われた。

PIFはムハンマド・ビン・サルマン皇太子が会長を務め、ビジョン2030の大型プロジェクト推進における重要な役割を担っている。国内の地域開発による観光客誘致や産業発展、雇用創出を図るため、2017年に発表した3つのギガ・プロジェクトについて説明した。

写真 公共投資基金(PIF)のプレゼンテーション(ジェトロ撮影)

1つ目のプロジェクトとして、リヤドから南西40キロ地点に開発予定のエンターテインメント複合施設「キッディヤ(Qiddiya)」が説明された。砂漠の中の自然の景観を生かした6つのゾーンでは、(1)サファリパーク・動物園・水族館、(2)映画館・博物館・美術館、(3)スポーツ施設、(4)雪や氷、水を使ったアトラクション施設、(5)遊園地、(6)モータースポーツとしてのドライブコース、などの開発を計画している。2023~2025年に全てのアトラクション施設を完成させ、最終的には観光客を1,700万人まで増やす予定としている。

2つ目は、「紅海プロジェクト(The Red Sea Project)」で、紅海沿いのサウジアラビア北西部に3万4,000平方キロ規模の観光エリアの開発を計画している。海のアトラクションのみならず、キャンプや火山ハイキングなどのエコツーリズム、ユネスコの世界遺産にも登録されたマダイン・サーレなどの遺跡訪問も楽しめる巨大な観光地となる予定だ。

最後は、「共生」をモチーフに、環境に優しい経済特区を目指す「NEOM」だ。エジプト・ヨルダン国境に達するサウジアラビア北西部2万6,500平方キロに広がるエリアを開発する計画だ。エリア内の電力供給は全て太陽光など再生可能エネルギーで賄われ、9つの主要分野「エネルギーと水」「可動性(交通インフラなど移動)」「バイオテクノロジー〔(研究開発(R&D)・ヘルスケア〕」「食品」「先進的な製造業」「メディア」「エンターテインメント」「テクノロジーとデジタルサイエンス」「快適な居住性(スマートシティー)」をターゲットに、外資の投資誘致を進めるとしている。

次にSAGIAが説明したタイシーラは、ムハンマド皇太子が議長を務める経済開発評議会(CEDA)傘下の投資促進委員会だ。20以上の政府機関が横断的に協力し、民間投資の環境整備の役割を担う。ワンストップ・ビジネスセンター、オンラインサービス、法規制の改定、仲裁の円滑化(サウジアラビア仲裁センターの創設)、24時間以内のインスタントビザの発行、通関の24時間実施ならびに輸入時必要書類の軽減(12種類から4種類へ)など、外資がビジネスをしやすくするための仕組みづくりを行う。

重点産業の3つの分科会も開催

全体セッション後には3部屋に分かれて産業別分科会が開催された。(1)製造業・エネルギー・化学、(2)エンターテインメント、(3)ヘルスケア関連、の日サ両国の企業・機関がプレゼンテーションを行った。

(1)製造業・エネルギー・化学分科会

サウジ側は7社・団体が現地調達の強化政策や投資機会を説明。SAGIAの3人が石油化学、再生可能エネルギー、水分野について説明し、防衛省が防衛インフラについて、海水淡水化公社(SWCC)が造水、サウジアラビア基礎産業公社(SABIC)が石化、サウジアラビア電力公社(SEC)が電力、サウジアラビア工業開発基金(SIDF)が低利の投資ローンについて、それぞれ紹介した。日本側からは9社(三菱重工、東京電力、東レ、東京製綱、浅越機械製作所、未来機械、DOWAエコシステム、ドレミング、日立製作所)が自社の製品・技術について説明を行った。

(2)エンターテインメント分科会

サウジ側の4社・機関が参加。娯楽庁(GEA)およびサウジアラビア視聴覚メディア一般委員会(GCAM)が国内エンターテインメントの発展と多様化の推進について、アル・ホケイル・グループがアミューズメント施設の運営について、マンガ・プロダクションが漫画の普及・自国内コンテンツの制作について説明した。日本側は5社(バンダイナムコエンターテインメント、凸版印刷、伊藤忠商事、C Channel、イマジン)が自社の技術を利用したアミューズメントの推進などについて説明を行った。

(3)ヘルスケア分科会

サウジ側は保健省が登壇し、同国の医療・保健分野への投資機会として、新しいヘルスケア戦略、民営化戦略、民間企業の参入チャンスについて説明した。日本側からは4社(富士フイルム、メディヴァ、サイバーダイン、スマートメディカル)がサウジ市場で展開可能と期待される製品・サービスについてプレゼンテーションを行った。

2グループの視察ツアーをSAGIAが主催

フォーラムの翌15日には、SAGIA主催による産業視察ツアーも開催された。食品産業向けのツアーとして大手食品製造業アル・マライの工場および農場訪問、エンターテインメント産業向けツアーとしてリヤド市内にアミューズメント施設を運営するアル・ホケイル・グループ傘下のアラビアン・センターズとショッピングモール訪問を、2グループに分けて実施した。

アル・マライのツアーでは、広大な敷地に広がる工場ならびに農場の視察を通じ、機械化導入の状況などを知ることができた。アラビアン・センターズのツアーでは、ショッピングモールに多数設置されている屋内型アミューズメント施設とともに、今後の国内娯楽産業の開発についても説明があった。

 写真 アル・マライ訪問ツアー(ジェトロ撮影)
写真 ショッピングモール訪問ツアー(ジェトロ撮影)

(米倉大輔、山本和美、星出純江)

(サウジアラビア、日本)

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