輸入ライセンスが必要なリストに830品目追加

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2018年01月16日

商業省は12月14日、通達(No.61/2017)にて輸入ライセンスが必要な品目リスト(ネガティブリスト)を更新した。3,988まで減っていた品目は830増え4,818品目となった。

減っていた対象品目が一転して増加

ミャンマーでは外国企業には原則貿易業が認められないなど、依然として厳しい外資規制があるほか、地場企業についても、特に輸入については事前に輸入ライセンスの取得が求められるなど、制限が多い。2011年の民政移管後はこうした規制が徐々に緩和され、2013年には一部の品目について輸入ライセンスの取得が免除された。その後、免除品目が順調に増えたこともあり、2015年にはネガティブリスト形式と称し、輸入ライセンスの取得が必要な品目(4,405品目)に切り替えて公開し、それ以外の品目についてはライセンスの取得が免除された。

その後、2016年8月には4,405品目から267品目を削除して4,138品目にする通達(No.60/2016外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、さらに12月には150品目を削除して3,988品目とする通達(No.86/2016外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が出された。

一方、今回の通達(No.61/2017外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、3,988品目まで減っていたネガティブリストに830品目が追加され、4,818品目に輸入ライセンス取得が求められることとなった。HSコード別のリストは添付資料のとおりで、さらなる詳細品目については通達中のリストに記載されている。

省庁からリストの見直し要求も

減少傾向にあったネガティブリストの品目数が、今回の見直しで逆に増加した。この点について、ジェトロ・ヤンゴン事務所が1月9日に商業省の担当者に確認したところ、(1)これまでのネガティブリストをさらに細分化し各HSコードに割り当てた、(2)各省庁からネガティブリスト品目の見直し要求があった、との説明があった。(1)については、従前のネガティブリストではカバーしきれない品目があり、輸出者との間でその扱いについて見解の不一致もあったようで、それに対処するためHSコードをさらに細かく分けた結果とのことだ。(2)については、これまでネガティブリストに掲載されていなくても、関連省庁から輸入許可を別途取得しなければならない品目が多数あり、今回、こうした品目の一部を追加したとのことだ。

外国企業に対する貿易業への規制緩和は徐々に進んでいるとはいえ、今回のネガティブリストの見直しのように、品目によっては関連省庁の意向が強く働くものも多いため注意が必要だ。

(水谷俊博)

(ミャンマー)

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