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トンボ鉛筆、ECやSNSの活用でミレニアル世代狙う

(米国)

アトランタ発

2018年01月12日

トンボ鉛筆の米国法人American Tombowは1983年に米国へ進出、本社をジョージア州に移転して25周年を迎えた。北米・南米へ高品質の文房具を届け続けている同社は、電子商取引(EC)、SNSを取り入れてさらなる市場開拓を目指している。ミレニアル世代の心をつかむビジネス戦略について、同社の田中公人氏、グレッグ・ディローラ氏、キャシー・ダニエル氏に聞いた(2017年11月6日)。


本社をアトランタに移し25年

American Tombowは1983年にカリフォルニア州で設立され、1992年にジョージア州に移転して25年がたった。アトランタ市郊外スワニーにある本社は、約30人の社員で米国、カナダ、コロンビアを除く南米を管轄しており、今後は南米におけるさらなるビジネス展開も視野に入れている。

日本国内でトンボ鉛筆といえば、鉛筆に加えて「MONO消しゴム」や「PITのり」といった「書く・消す・貼る」の主力製品が思い浮かぶ。約350点ある製品のうち、American Tombowの売り上げの半分近くを占めるのが修正テープで、また、北米では「ABT」と呼ばれるデュアルブラッシュペンなど、日本でメジャーなオフィス文具とは少し異なる製品がTombowブランドを盛り上げている。それを後押ししているのがEC、SNSの活用だ。

アマゾンと自社ウェブサイトの特性を使い分ける

同社は2012年にインターネット販売を開始した。実店舗を構えるためには高額な初期投資が必要になること、ウォルマートなど大手小売店への展開や顧客カタログへの商品掲載には継続してコストがかかることなどから、EC市場参入を決意したという。オンライン販売と同時期に米国ネット通販大手アマゾンの活用も始め、ネット販売の売り上げは2014年からの4年間で3倍以上伸びている。これを牽引しているのはアマゾンだが、American Tombowウェブサイトは商品を売るだけではなく、新製品のテスト販売、市場調査などの側面を持つ。得られた情報はアマゾンにおける商品ラインアップやプロモーションに生かされ、販売拡大およびTombowブランドの認知度上昇につながっている。アマゾンと自社ウェブサイトの特性をうまく使い分けることが好循環を生んでいるそうだ。

消費者の購買方法の変化に適応する上でもEC参入は有意義だとダニエル氏は語る。特に10~30代前後のいわゆるミレニアル世代にとってネットは生活と切り離すことはできず、統計調査会社スタティスタ(Statista)の調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、18~29歳の約99%が日常生活でネットを利用しているという。

American Tombowのウェブサイトにスマートフォンからアクセスする割合は6割を占める。ミレニアル世代がモノを購入する際には、ネットで情報を検索してから、というのが主流だ。また、商品は注文したらすぐ手元に届くものだという消費者心理にも対応すべく、素早い配達を心掛けている。同社は、ウェブサイトで注文を受けた製品は、注文から2営業日以内にオフィス敷地内の倉庫から配達している。アマゾンの有料サービス「アマゾンプライム」を利用した場合と同じぐらいの速さでの配達が可能だという。

ECと両輪となっているのがSNSの活用だ。同社はフェイスブックをはじめ、インスタグラム、ピンタレストを主に広報に活用しているが、これら全てが米国のミレニアル世代の利用率トップ5に入るSNS媒体だ(スタティスタ調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。SNSへの投稿に刺激を受けたユーザーの購買意欲は、ECにフィードバックされやすい。北米の主力商品である「ABT」は、SNSへの写真投稿により特徴である鮮やかで繊細な色づかいや製品の使用方法が可視化され、ユーザーへのアピールにつながっている。さらに、米国内のトレンドとなっている「Hand Lettering」「Planner」「Journaling」と高品質な製品を組み合わせることでより多くの反響を受け、フォロワー獲得に成功している。「ABT」は発売開始から30年以上経つロングセラー製品で、American Tombowの「顔」だ。

写真 インスタグラムによる「#tombow」の検索結果(ジェトロ撮影)

もちろん、顧客との直接的なコミュニケーションも欠かさない。全米各地で行われる展示会において自社製品の使用方法を体験してもらうほか、2017年は公募で当選したユーザーを米国本社に招待して製品を体験してもらうといったワークショップ活動を初めて実施した。

 写真 ある展示会のワークショップの様子(American Tombow提供)

(友田椋子、ラマース直子)

(米国)

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