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政府が新車購入促進プログラムを発表-自動車組み立てメーカーの誘致も狙う-

(パラグアイ、ブラジル)

サンパウロ発

2017年12月15日

オラシオ・カルテス大統領は11月28日、新車購入促進プログラムを発表した。国家開発銀行(BNF、中央銀行)が、新車購入時に低利融資をするもので、環境性能の低い中古車を減らしつつ新車市場を拡大し、自動車組み立てメーカー誘致につなげる狙いがある。

プログラムは低価格帯の新車が対象

大統領府のプレスリリースによると、11月28日に新車購入促進プログラム「Auto para la familia paraguaya(直訳:パラグアイの家族のための車)」の発表式典が行われ、カルテス大統領やグスタボ・レイテ商工相のほか、ブラジルからマルコス・ペレイラ商工サービス相らも出席した。

同プログラムにより、販売価格5,000万グアラニー(約100万円、1グアラニー=約0.02円)以下の新車を購入する場合、BNFから低利融資を受けることができ、最大60回の分割返済が認められる。ただし、日系自動車メーカーは、この価格帯の新車をパラグアイ市場に投入しておらず、制度利用の対象には含まれていない(注)。なお、現地関係者からのヒアリングによると、プログラムは2018年12月まで実施される予定で、その後の継続に向けて効果を検証する見込みだ。

ブラジル進出のメーカー誘致も視野に

パラグアイの自動車販売台数は年間約8万台。うち約6万台が日本、韓国、米国から輸入された中古車で、新車市場は2万台程度だ。

南米諸国が中古車の輸入を禁止して環境対策に乗り出している中、パラグアイでは中古車販売業者によるロビー活動などもあり、なかなか中古車販売を禁止する政策が盛り込めなかったと現地関係者は説明する。

例えば、2011年に施行された中古車輸入制度(法令4333/2011)では、中古乗用車の輸入は製造年から10年未満のものに限り可能となっているが、当該法令に関して違憲裁判を起こした複数の企業が勝訴したため、同法令から適用除外され、製造年から10年以上の中古車が安く輸入・販売されているのが実態だ。

これに対抗するため政府には、新車市場を拡大し、低環境性能の中古車両の市場流通を縮小させたい狙いがある、とBNF担当者は語る。また、新車市場の拡大とともに、ブラジル進出済みの自動車組み立てメーカーを誘致し、雇用を増大したいとの狙いもあるという。

ブラジルとの自動車協定の正式交渉開始へ

11月28日の発表式典に参加したブラジルのペレイラ商工サービス相は、本プログラムについて、ブラジルとパラグアイの自動車産業の緊密化を意味すると評価している。また同相から、ブラジル・アルゼンチン間、ブラジル・ウルグアイ間では自動車協定が発効済みで、自動車分野の関税が撤廃されているが(上限枠あり)、同様の協定をパラグアイとも締結したい旨の発言があった。2018年中には正式交渉が開始する見込みだ。

パラグアイには、簡易な税制度や安価な労働力などを求めて、既に日系自動車部品メーカーの進出が進んでいる。ブラジルとパラグアイの自動車協定が発効すれば、日系メーカーも含め、自動車関連企業の進出加速が見込まれる。

(注)制度利用の対象車は、パラグアイで製造される長安汽車(Changan)、華晨汽車(Briliance)、安徽江淮汽車(JAC)の同価格帯車両などに加え、ブラジルから輸入されるシボレー、フィアット、フォード、フォルクスワーゲン、ルノーの小型エントリー車。

(山本祐也)

(パラグアイ、ブラジル)

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