越境EC新制度、過渡期政策の適用都市を15に拡大

(中国)

北京発

2017年12月25日

商務部は12月7日、越境電子商取引(EC)新制度の一部の過渡期政策の適用都市について、2018年1月1日から安徽省合肥市、四川省成都市、遼寧省大連市、山東省青島市、江蘇省蘇州市の5都市を追加し、合計15都市に拡大すると発表した。

合肥や成都など5都市を追加

商務部は12月7日の定例記者会見で、国務院常務会議(9月20日開催)で2018年末までの再延長を決定していた越境EC新制度の一部の過渡期政策について、2018年1月1日から安徽省合肥市、四川省成都市、遼寧省大連市、山東省青島市、江蘇省蘇州市の5都市にも適用することを明らかにした。

国務院常務会議では、天津市、上海市、浙江省杭州市、寧波市、河南省鄭州市、広東省広州市、深セン市、重慶市、福建省福州市、平潭県の10の試験都市で、越境EC商品の保税区への搬入時に必要な通関証明書(通関単)の提出を2018年末まで猶予するとともに、化粧品、幼児用粉ミルク、医療機械、特殊食品など一部指定商品の初回輸入時の輸入許可証、登録、届け出についても同年末までは不要とすることが示されていた(2017年10月10日記事参照)。

商務部の高峰報道官は、越境EC商品に対して必要な検疫は実施しているものの、国内標準に合致することは求めず、輸入貨物に必要な検査要求も執行していないと過渡期政策の適用状況を説明した。その一方で、一部の商品で有害生物が見つかる、貨物の包装やラベルが規定と合致しないなどの問題が発生しており、消費者に対して、関連商品情報を十分に理解し、健全な越境EC業者・プラットフォームを選定して商品を購入するよう呼び掛けた。

2017年の輸入越境ECは前年の1.5倍

中国電子商取引研究センターが6月に発表した「2016年度中国インターネット小売市場データ監測報告」によると、2016年の中国の輸入越境EC市場取引規模は前年比33.3%増の1兆2,000億元(約20兆4,000億円、1元=約17円)で、2017年には1.5倍の1兆8,543億元に達すると見込まれている。依然として旺盛な消費者の越境EC商品への需要を踏まえて、現場での混乱を避けるため展開されている過渡期政策は2018年末で終了する予定で、2019年以降スムーズに新制度に移行できるか、今後の動向が注目されている。

(宗金建志)

(中国)

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