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真贋判定セミナーをマレーシアで開催-電子商取引の利用増で模倣品対策の重要性増す-

(マレーシア)

クアラルンプール発

2017年12月28日

首都クアラルンプール郊外のプトラジャヤで12月5日、「真贋(しんがん)判定セミナー」が開催された。日系企業は自社商品について、真正品と模倣品の見分け方を、マレーシア政府や税関などの知的財産関係者に説明した。近年、急速に利用が進む電子商取引(eコマース)サイトなどで模倣品が販売されており、その対策の重要性が増している。

執行当局などから約50人が参加

ジェトロと経済産業省は12月5日、マレーシアの知的財産権侵害における執行当局である国内取引・協同組合・消費者省(MDTCC)およびマレーシア税関の職員を対象とした真贋判定セミナーを開催した。マレーシアでの真贋判定セミナーの開催は6年ぶり。セミナーには約50人が参加した。

写真 真贋判定セミナーの様子(ジェトロ撮影)

マレーシアにおける知的財産権侵害の行政処分は、商標法や著作権法に基づいてMDTCCが自主的な職権捜査や知的財産権者からの申し立てに応じて調査を行う。他方、税関は水際で商標権侵害品を差し止める権限は有するものの、税関職員による商標権侵害疑義品の検査や差し止めは職権による措置であり、税関への商標登録制度はない。水際での差し押さえについては、MDTCCなどの関係機関と連携して侵害品と疑われる商品を発見した場合に、一時的に差し止めることができる。

政府は、2007年に知的財産裁判所を設置した。また、2011年にはMDTCCがバスケット・オブ・ブランズ(BOB)制度と呼ばれる登録商標権者に関するデータベースシステムを構築した。MDTCCは、データベースに必要情報が登録してあるブランドについて主体的に職権捜査を行うことができ、摘発強化に取り組む。MDTCCの2017年8月時点の情報によると、同データベースに登録している商標権者は64社(559ブランド)で、うち日本企業は8社。

国内では依然として模倣品が多く出回っている。近年では、インターネット通販の普及に伴い、eコマースサイト上に模倣品が出回るケースも多く、模倣品対策の範囲が拡大してきている。

日系企業が真贋判別方法を説明

セミナー冒頭で、梶田朗ジェトロ・クアラルンプール事務所長は、マレーシアの関連機関による模倣品対策制度の整備に対し感謝を示す一方、日系企業の投資意欲促進のため制度の正しい運用の強化を求めた。

続いて、プリンタートナーカートリッジ、スポーツ用品、時計などを製造・販売する日系メーカー5社が自社製品について、商標登録しているロゴマークの特徴、真贋判定用ホログラムシールの貼付位置や判別方法など、真正品と模倣品の見分け方について説明を行い、模倣品の対策はマレーシアの消費者の安全と健康を守るものであることを強調した。

参加した税関職員やMDTCC職員からは「真贋判定用ホログラムシールが外箱にのみ貼付されている商品の中身の判別方法を知りたい」といった質問のほか、「一部の商標登録権者は、情報漏えいに対する危惧からか真贋判定の詳しい情報を提供しないケースがある」として、企業側のさらなる協力を求める声も上がった。

自社商品を展示した併設スペースでは、各社がセミナー聴講者に対し、模倣品との違いやホログラムシールの判別方法を説明した。各ブースでは、MDTCCおよび税関職員が積極的に商品を手に取り、判別を実践する姿がみられた。

 写真 真正品と模倣品の判別方法について説明を受ける参加者(ジェトロ撮影)

悪質業者の取り締まり強化や税関登録制度導入を要望

12月6日には、国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)を代表する日系企業3社が、MDTCC職員、税関職員らと模倣品対策について意見交換を行った。日系企業からは、模倣品の販売を繰り返す悪質業者に対する対策、税関登録制度の導入、差し止めの申し立てに必要となる要件の緩和などを要望した。また、近年増加するeコマースサイトにおけるマレーシアでの模倣品流入の拡大に対する注意喚起と対策を求めた。

MDTCCによると、2017年の模倣品摘発件数は557件で、前年の600件より減少したとしており、より多くの日系企業にBOB制度への登録を求めている。

(田中麻理、山本千菜美)

(マレーシア)

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