早まるクリスマス商戦、ネット通販が好調-ブラックフライデーも急速に広がる-

(フランス)

パリ発

2017年12月06日

11月24日の「ブラックフライデー」を皮切りに、クリスマス・年末商戦が本格化した。民間世論調査によると、2017年のクリスマス(プレゼント、食事代などを含む)の予算は平均749ユーロで、10人に7人はプレゼントをネット通販で購入すると答えている。

子供1人当たりプレゼント代は前年より21.5%増

消費者金融のコフィディスが11月23日に発表した世論調査(18歳以上のフランス人1,002人を対象に10月24~26日実施)によると、2017年のクリスマスの予算(プレゼントや食事代、交通費などを含む)は平均で749ユーロ。このうちプレゼント代が323ユーロで最大、食事代は130ユーロだった。予算は地域によって大きく異なり、パリ首都圏は1,199ユーロで、その他地域の平均647ユーロを大きく上回った。

同調査で回答者の約7割が、クリスマスの出費は「ほぼ前年並み」になると答えた。ドレスアップや家の装飾などにかかる出費を抑える一方、プレゼント代や食事代は節約しない向きが多かった。別の世論調査では、子供1人当たりのプレゼント代は平均128.78ユーロと前年から21.5%増えるとの結果が出ている。

また、コフィディスの調査で65%が、クリスマス商戦が本格化する12月を待たずにショッピングを開始すると答えている。クリスマスの出費を抑えるため、米国で始まった11月第4金曜日の大型セール「ブラックフライデー」のような12月前に行われる安売り(回答率35%)や、ネットのプライベートセール(30%)を利用すると答えた人が3割を超えた。

電子商取引・通信販売事業者協会(FEVAD)が15歳以上のネット利用者3,059人を対象に10月23日~11月3日に実施した世論調査(11月21日発表)によると、10人に7人がネット通販でクリスマスプレゼントを購入すると回答し、その予算平均は前年を4%上回る203ユーロだった。同調査は毎年同時期に行われており、ネットで購入するプレゼントとして「ゲーム・玩具類」を挙げた人の割合(49%)が初めて「CD・DVD」(45%)を抜いて最大となった。以下、「衣類、靴、アクセサリー」(32%)、「香水、美容品、化粧品」(30%)が続いた。また、ネット通販を利用する理由について64%が「人混みを避けるため」と回答、「割安な印象」(52%)、「利便性」(51%)、「実店舗より豊富な品ぞろえ」(49%)を上回った。

ブラックフライデーの目玉商品を集めた通販サイトも

ブラックフライデーはフランスでも急速に広がっている。ブラックフライデーを導入する大手ブランドの目玉商品を集めた通販サイト「ブラックフライデー・セール(BlackFriday.Sale)」によると、同サイトを通じた2017年のブラックフライデー(11月24日)の売上高は前年比33%増となった。1回の購入額は平均118ユーロで、前年より6ユーロ増えた。同サイトによると、衣類・ファッション関連品が全体の37%、電子関連製品が19%、インテリア製品が11%を占めたという。

また、アマゾン・フランスは11月27日、2017年のブラックフライデーは「前年を40%余り上回る200万件を超える注文を受けた」「アマゾン・フランスの歴史の中で最も注文が集中した日」になったと発表した。同社カントリーマネジャーのフレデリック・デュバル氏は「消費者がクリスマスの出費を節約できる機会として、ブラックフライデーを評価していることの証左だ」と指摘した。

ブラックフライデーに先立ち同社が実施した世論調査(11月21日発表)によると、回答者の65%はブラックフライデーをクリスマスショッピングの「スタートライン」と捉えていることが分かった。同調査で53%のフランス人が、ブラックフライデーの最大の利点を「クリスマスに向けた節約」と回答していた。

(山崎あき)

(フランス)

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