1月から自動車保有税や法人税などが増税に

(トルコ)

イスタンブール発

2017年12月26日

トルコ政府は12月5日付の官報(第30261号)で、乗用車に対する自動車保有税率の引き上げ、法人税率の3年間引き上げ、果実・野菜ジュースなどのソフトドリンクに対する新たな10%の特別消費税(SCT)など、租税法の改正を発表した。これらの変更は2018年1月1日に施行となる。

自動車保有税の増税は乗用車が対象

2018年から自動車保有税は、2017年12月31日以前に登録された乗用車の場合、エンジン排気量と自動車使用年数を基準に14.7~25.4%引き上げられる(表1参照)。2018年1月1日以降に登録される乗用車は、エンジン排気量と自動車使用年数以外に新規登録の乗用車の価格〔特別消費税を除外した、付加価値税(VAT)の対象の価格〕を自動車保有税の計算に含め、それぞれの基準により14.7~50.3%の幅で引き上げられる(表2参照)。

なお、自動車保有税増税の影響で、2017年末の乗用車販売に駆け込み需要が出ると予想され、既に一部の自動車メーカーは、販促キャンペーンを始めている。

表1 2017年12月31日以前に登録された乗用車の2018年の自動車保有税(単位:トルコ・リラ)
エンジン排気量 自動車使用年数
1~3年 4~6年 7~11年 12~15年 16年以上
1300cc以下 743 518 290 220 78
1301~1600cc 1,294 970 563 398 153
1601~1800cc 2,284 1,785 1,051 641 249
1801~2000cc 3,598 2,771 1,629 970 383
2001~2500cc 5,396 3,918 2,448 1,463 579
2501~3000cc 7,524 6,545 4,089 2,200 808
3001~3500cc 11,458 10,309 6,210 3,100 1,138
3501~4000cc 18,014 15,555 9,161 4,089 1,629
4001cc以上 29,483 22,109 13,094 5,885 2,284

(注)1トルコ・リラ=約30円。
(出所)12月5日付官報(第30261号)

表2 2018年1月1日以降に登録される乗用車の2018年の自動車保有税(単位:トルコ・リラ)
エンジン排気量 自動車価格 自動車使用年数
1~3年 4~6年 7~11年 12~15年 16年以上
1300cc以下 4万以下 743 518 290 220 78
4万超~7万以下 817 570 319 242 86
7万超 892 622 348 264 94
1301~1600cc 4万以下 1,294 970 563 398 153
4万超~7万以下 1,423 1,067 619 437 168
7万超 1,553 1,164 675 477 183
1601~1800cc 10万以下 2,512 1,964 1,156 705 274
10万超 2,741 2,142 1,262 770 299
1801~2000cc 10万以下 3,957 3,048 1,792 1,067 421
10万超 4,317 3,326 1,955 1,164 459
2001~2500cc 12万5,000以下 5,936 4,309 2,692 1,609 637
12万5,000超 6,476 4,701 2,937 1,755 695
2501~3000cc 25万以下 8,276 7,200 4,498 2,420 888
25万超 9,029 7,854 4,907 2,640 969
3001~3500cc 25万以下 12,603 11,340 6,831 3,410 1,251
25万超 13,749 12,371 7,452 3,720 1,365
3501~4000cc 40万以下 19,815 17,111 10,077 4,498 1,792
40万超 21,617 18,666 10,994 4,907 1,955
4001cc以上 47万5,000以下 32,431 24,320 14,403 6,474 2,512
47万5,000超 35,379 26,531 15,713 7,062 2,741

(注)1トルコ・リラ=約30円。
(出所)12月5日付官報(第30261号)

法人税は3年間の時限で増税

現行20%の法人税は、2018~2020年の3年間の時限措置として22%に引き上げられる。アーバル財務相は「法人税は、引き下げが可能と判断され次第、20%に戻す」と発言しており、増税には軍事費の増加や景気浮揚策などによる歳出増に伴う財源確保が背景にあるとみられている。産業界からは、企業負担の増加は失業率や生産性にも影響を及ぼすものだとし、早期に税率が20%に戻ることを望む声が多い。

また、官報によると、果実・野菜ジュースなどのソフトドリンクに対して、10%の特別消費税が課される(表3参照)。施行は2018年1月1日付となる。

表3 ソフトドリンクの特別消費税率(単位:%)
HSコード 製品 税率
2009 果実または野菜のジュース(ブドウ搾汁を含み、発酵しておらず、かつ、アルコールを加えていないものに限るものとし、砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わない) 10
2202 水(鉱水および炭酸水を含むものとし、砂糖その他の甘味料または香味料を加えたものに限る)、その他のアルコールを含有しない飲料(第2009項の果実または野菜のジュースを除く) 10
2202.10.00.00.11 水(鉱水および炭酸水を含むものに限る) 10
2202.10.00.00.12 水(砂糖その他の甘味料または香味料を加えたものに限る) 10
2202.91.00.00.00 ノンアルコールビール 10

(出所)12月5日付官報(第30261号)

(エライ・バシュ)

(トルコ)

ビジネス短信 9d9f6b3f3ac14885